「これまで見たことない歴代級の売り攻勢です」。

18日、ある資産運用会社の株式担当者は混乱に陥った。
米国と欧州などの「バズーカ砲」のような景気浮揚策にも韓国株式市場で外国人の「売り攻勢」が続いているためだ。

彼は「外国人が株式を売り続けるのを見ると株価下端まではまだ遠く感じられる」と話した。
この運用会社は最近株式・ファンド運用に対するポジションを「ヘッジ(危険防御)」に変えた。

2200前後で行き来した韓国総合株価指数(KOSPI)を1カ月もたたずに1591.20と600ポイント以上引き下ろしたのは外国人投資家だ。
外国人投資家は先月24日からこの日まで1日を除いて連日株式を売った。1日1兆ウォン以上売ったのも3回に上った。

この期間にKOSPI市場から抜け出た外国人投資家の資金は12兆4354億ウォンに達する。
外国人投資家が過去最長期間となる33取引日にわたり売り越した金融危機直前の2008年6月9日〜7月23日の8兆9834億ウォンを上回る投げ売りだ。

外国人投資家脱出の引き金は新型コロナウイルスの感染拡大への恐怖だ。その余波で世界の景気鈍化、国際原油価格急落、
企業の業績不振への懸念が大きくなり、外国人投資家は安全資産に移動する過程で危険資産である新興国株式を整理している。

輸出依存度が高い韓国市場は良い売り対象だ。元大証券のチョ・ビョンヒョン研究員は「新型肺炎の感染拡大で景気が鈍化すれば
工業製品需要が減り世界の製造業に打撃を与えかねない。そのため製造業景気と一脈相通じる韓国の半導体銘柄を中心に外国人投資家が売るだろう」と話した。

外国人投資家は韓国証券市場の主要需給主体だ。株価が反騰するかどうかは外国人投資家の手にかかっているといっても過言でない。
資本市場研究院のキム・ジュンソク選任研究委員は「通常韓国株価指数と外国人投資家の買い越しには密接な相関関係がみられる。
特に株価が下落する時の相関関係がさらに高い」とした。このため外国人投資家の売り傾向が続くという点を考慮すれば株価はまだ底を打っていないという分析も出ている。


◇韓国市場から完全に手を引いたのではなさそう


それでも幸いなのは外国人投資家の資金が国外に大きく抜け出る動きは見られないという点だ。これを反証する代表的事例が外国為替市場だ。
通常外国人投資家が株式を売り韓国を離れればウォンの価値は落ちる。株式を売った外国人投資家がドルに両替しようとする需要が増えるためだ。

だが外国為替市場は比較的安定している方だ。KOSPIは今月に入り、20%急落したが、同じ期間に対ドルでウォンの価値は2.6%下がった。
新韓銀行のペク・ソクヒョン研究員は「外国人投資家が株式を売ったお金を国外に持ち出していないものと把握される。現金確保次元とみられる」と話した。

外国人投資家のお金が安全資産である国債に集まるという分析もある。金融投資協会によると外国人投資家が今月に入り17日までに買い越した国債は3兆5386億ウォン規模だ。
https://japanese.joins.com/JArticle/263851?servcode=300&;sectcode=310