米人権団体が発表した最新の調査報告書は、世界保健機関(WHO)が中国共産党にとって「役に立つ馬鹿(useful idiot)」になったと非難し、米政府に対して、WHOにおける中国当局の加盟国資格を取り消し、台湾の加盟を求めた。

米国の非営利組織、共産主義の犠牲者記念財団(Victims of Communism Memorial Foundation、VCMF)のマリオン・スミス事務局長は4月13日、中共ウイルスの感染拡大において、中国当局は「世界に嘘をついた」「WHOをプロパガンダに利用した」とツイッターに投稿した。

投稿の中で、スミス氏はVCMFが10日に公開した報告書、「新型コロナウイルスを隠ぺいする:タイムライン(The Coronavirus Cover-up: A Timeline)」をシェアした。報告書は時間軸で、感染発生後のWHOの公式声明と中国当局の動きを比較し、両者が連動していることがわかった。

2019年11月〜2020年1月中旬:嘘をつく

 報告書は、メディアが、武漢市で昨年11月17日にすでに感染症例が発生したと報道したことに対して、中国当局はこれを検証しなかったと指摘した。昨年11月と12月に感染者が現れた際、中国当局は直ちにWHOに通報せず、逆に警鐘を鳴らした8人の医師を処罰した。さらに、当局は、専門家チームを武漢市に派遣し、ウイルスの発生源を調査するとの米政府とWHOの提案を拒否した。

中国当局は今年1月20日、初めて、人から人への感染を認めた。しかし、3つの出来事は、中国当局が人から人への感染を当初から把握しながら、WHOなどに通報しなかったことを証明した。

1つ目は、昨年12月31日、台湾政府がWHOや中国当局に対して、武漢市に「非定型肺炎」の患者が「隔離治療」を受けていると伝え、人から人への感染の可能性を示唆した。2つ目、中共肺炎を警告した武漢市の眼科医である李文亮氏は1月10日に、中共肺炎(新型コロナウイルス)の症状が出たと報じられた。原因は、患者が中共ウイルスの感染が確認される前に、李医師に診察してもらったからだ。3つ目は、ニューヨーク・タイムズの報道では、中国当局は1月、感染が拡大してからの5週間内に、約20億枚のマスク(2カ月半分の世界マスク生産量に相当)、4億セットの医療防護用品(防護服と医療用ゴーグルなど)を輸入した。

WHOが中国のために隠ぺい

WHOが昨年末に台湾からの通報を受けたにもかかわらず、1月14日、同公式ツイッターアカウントに「中国政府による初歩調査では、新型コロナウイルスの人から人への感染を証明する明確な証拠は見つかっていない」と投稿した。

WHOがこの投稿を発表する直前、武漢市衛生健康委員会は同ウェブサイトで、「現在の調査結果では、人から人への感染を証明する明確な証拠は見つかっていない」「人から人への感染の可能性を排除しないが、人から人への感染のリスクは比較的に低い(WHOはツイッターで、この文言を引用しなかった)」との見解を掲載した。

中国当局は1月20日、人から人への感染を宣告し、同月23日に武漢市における封鎖措置を実施した。しかし、すでに500万人の武漢市民が、旧正月の連休で市外に出ていた。

続く

(翻訳編集・張哲)

https://www.epochtimes.jp/2020/04/54942.html
大紀元 2020年4月15日 14時30分