韓国総選挙で文在寅大統領を支持する与党が圧勝したことを踏まえ、日本政府は今後の文政権の対日姿勢を慎重に見極める方針だ。日韓関係悪化の最大の要因となった元徴用工問題で、日本政府は日韓請求権協定に基づいた対応を韓国側に求める立場を崩しておらず、文政権の動向次第ではさらなる冷え込みも予想される。

 「今後も韓国に国際法違反の状態の是正を強く求めて行く方針に変わりはない」。菅義偉官房長官は16日の記者会見でこう強調した。
 今回の総選挙は2022年に予定される次期大統領選の「前哨戦」と位置付けられる。今回勝利したリベラル系の与党勢力は今後も、元徴用工問題でこれまでの文政権の「司法判断を尊重し、日本企業の賠償を求める」との立場を支持するとみられる。
 外務省幹部は「日本にとって良い選挙結果ではない」として、韓国側の強硬姿勢が続くと指摘。一方、別の同省幹部は「大統領の足元が固まったので、今後は検察改革など国内問題に力を入れるのではないか」と述べ、日韓関係には大きな変化は生じないとの見通しを示した。
 韓国内では原告側が差し押さえた日本企業の資産現金化に向けた動きも続いている。日本政府関係者は「現金化をすれば日韓関係はおしまいだ」と重ねて強調、韓国側の現金化の動きにくぎを刺した。

https://www.jiji.com/jc/article?k=2020041600941&;g=pol
時事ドットコム 2020年04月17日07時23分

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記者会見する菅義偉官房長官=16日、首相官邸