新型コロナウイルス感染症の治療に効果が期待される新型インフルエンザ治療薬「アビガン」を感染者に投与する研究の分析結果が、18日の日本感染症学会特別シンポジウムで報告された。

 藤田医科大の土井洋平教授によると、国内の約200の医療機関でアビガンを投与した約350人を分析したところ、軽症者の9割、人工呼吸器が必要な重症者の6割に、薬を飲み始めてから2週間後に症状が改善する傾向がみられた。

 土井教授は「新型コロナウイルスにかかっても、8割は自然に良くなり、アビガンが効いたかどうかはまだわかっていない。今後も検証を続け、効果があるかどうか、科学的な根拠を示せるようにしたい」と慎重な姿勢を示した。

 新型コロナウイルスに対する治療薬は今のところ、なく、複数の薬が候補となっている。愛知医科大の森島恒雄客員教授は「それぞれの薬には長所と短所があり、それを明らかにした上で、治療の選択肢を増やせるようになることが望ましい」と話した。

2020/04/18 22:15 読売
https://www.yomiuri.co.jp/medical/20200418-OYT1T50259/