【ワシントン=横堀裕也】米国のポンペオ国務長官は22日の記者会見で、新型コロナウイルスの発生源との見方も出ている武漢の研究所を含む中国国内のウイルス研究施設について、「複雑な病原菌の研究が行われており、適切に扱われているかを確認する必要がある」と述べ、立ち入りを認めるよう中国側に求めた。

 ウイルスが武漢の研究所から流出したとの疑惑について、中国側は否定している。だが、米政府は中国側の情報開示が「透明性を欠いている」と批判を強めている。米政府内ではウイルスの発生源について、武漢にあるウイルス研究所の所員から外部に拡散した可能性も指摘され始めている。

 ポンペオ氏は、記者会見で「中国はウイルスの危険性を隠蔽いんぺいした。中国で発生したウイルスのサンプルも、いまだに各国と共有していない」と述べ、中国を厳しく批判した。

 また、ポンペオ氏は22日に声明を出し、野生動物の取引市場を恒久的に閉鎖するよう、各国に求めた。中国だけは名指ししており、武漢の海鮮市場が念頭にあるとみられる。声明で「密売が横行し、病気の発生と感染拡大のリスクも生んでいる」と強調したが、中国の反発を招きそうだ。

https://www.yomiuri.co.jp/world/20200423-OYT1T50241/
讀賣新聞 2020/04/23 17:57