西東京市に住む中国籍の高校三年の女子生徒が二十二日、市役所に丸山浩一市長を訪ねて二万枚のマスクを寄贈し、市職員らを驚かせた。市は市内の高齢者向け施設や保育園などで活用してもらう方針だ。

 女子生徒は今月八日、ツイッターに「私たちは、日本で育った東京在住の中国籍の高校生です」と投稿。「高齢者をコロナから守ろう【募金】」というタイトルで一口五百円の募金を呼び掛けた。インターネットに詳しい同級生らが協力し、画像に日本語、英語、中国語のバーションを用意する本格的な仕様だったからか、一日で百人以上から約五十二万円が寄せられた。市によると、国内や中国からが多かったという。

 女子生徒は西東京市内にある中国製品の輸入会社に相談。経営者は「そんな良いことなら、うちで半分支援するよ」と後押しし、中国製マスク二万枚を確保できたという。

 市内にある自宅マンションの管理人に自分の母親がマスクを贈った際、とても喜ばれたと聞き「私にも何かできないか」と考えたのが活動のきっかけ。市は当初、報道機関を集めて贈呈式を開く計画を立てたが、女子高生が「私一人でできた寄付ではない」と固辞し、匿名による寄付に落ち着いた。 (花井勝規)

https://www.tokyo-np.co.jp/article/tokyo/list/202004/CK2020042502000103.html
東京新聞 2020年4月25日

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東京在住の中国籍女子高生らの呼び掛けで、西東京市に寄贈された2万枚のマスク=西東京市役所で(市提供)