【北京時事】中国の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)常務委員会は29日、司法相に唐一軍・前遼寧省長(59)を起用する人事を決めた。唐氏は、習近平国家主席がかつてトップを務めた浙江省で長年勤務した「習派」の一人とみられている。習氏は2月にも、新型コロナウイルスが最初に広がった湖北省のトップに浙江省時代の部下だった応勇・前上海市長(62)を送り込んでおり、「建国以来最大の防疫戦」の中でも権力基盤の強化を継続している。

体制内「分裂」「批判噴出」で揺らぎ始めた習近平「独裁」の権威
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 唐氏は2017年に遼寧省に転じるまで40年間、浙江省で勤務。この間、同省寧波市で警察や裁判所を指揮する党政法委員会書記を務めたことはあるが、司法の専門家ではない。
 一方、司法省と共に党中央政法委の管轄下にある公安省では今月19日、孫力軍次官(51)が重大な規律・法律違反の疑いを掛けられて失脚。公安省党委が同日開いた会議は「周永康(元中央政法委書記)、孟宏偉(前公安次官)、孫力軍らが流した害毒を一掃する」ことを確認した。
 政法部門を独立王国化し習氏に対抗しようとして14年に失脚した周氏や、18年に現職の国際刑事警察機構(ICPO)総裁ながら一時帰国時に拘束され収賄罪に問われた孟氏と並んで糾弾された孫氏。孫氏の失脚と唐氏の司法相起用は、習氏が警察や司法の掌握をさらに進める一環とみられる。

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時事ドットコム 2020年04月29日18時32分