韓国の低分子医薬品・バイオシミラー(バイオ後続品)メーカー、セルトリオンは11日、武田薬品工業のアジア太平洋地域での医薬品事業部門を買収すると発表した。セルトリオンで初の大型買収案件で、買収額は最大2億7800万ドル(約297億円)。

 セルトリオンは「武田薬品のアジア太平洋地域での製品群に対する権利資産買収契約を結んだ」と説明。買収は今年10−12月期にも完了する見通し。

 セルトリオンが買収する事業は武田薬品のアジア太平洋地域における「プライマリーケア」事業。セルトリオンは今回の契約で韓国、タイ、台湾、香港、マカオ、フィリピン、シンガポール、マレーシア、オーストラリアの9市場で販売されている専門医薬品、一般医薬品ブランドの18製品の特許、商標、販売に関する権利を取得する。

 買収する製品群には、世界的な新薬ネシーナ、アクトス(以上、糖尿病治療薬)、イダービ(高血圧治療薬)など専門医薬品のほか、かぜ薬のホワイトゥベン(Whituben)、口内炎治療薬のアルボチルなど韓国の消費者に知られている一般医薬品も含まれている。

 セルトリオンは当面、武田薬品と製造供給契約を結び、製品供給を受ける。今後技術移転プロセスを経て、現行医薬品適正製造基準(cGMP)を満たすセルトリオンの生産拠点で今回買収した製品群を生産し、国内外に供給する予定だ。

チョソン・ドットコム/朝鮮日報日本語版 2020/06/12 09:20
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