安倍晋三内閣の支持率が低迷を続ける中、安倍氏のライバルである石破茂・元自民党幹事長が健闘している。

朝日新聞が20〜21日に実施した世論調査で、安倍内閣の支持率は31%だった。2012年末の再執権以降、最も低かった先月29%よりはやや上向いたものの、危機状況であることには変わりない。

来年9月で任期が満了する安倍氏が自民党総裁選出規定を変えて4選に挑戦することについては反対69%に対し、賛成は19%にすぎなかった。

逆に「ポスト安倍」、すなわち次期首相を狙う石破氏の株価は上昇を続けている。

「安倍首相の次の自民党総裁に誰がふさわしいと思うか」という質問に石破氏は31%を記録した。今年2月調査時の25%に比べて6%ポイントも上昇した。

小泉進次郎環境相(15%)・河野太郎防衛相(9%)、安倍氏が次の総裁に推している岸田文雄自民党政調会長(4%)・菅義偉官房長官(3%)、茂木敏充外相(1%)らを大きく引き離してトップを独走している。

石破氏は安倍氏にとって目の上のたんこぶのような存在だ。「安倍天下」が続いた過去8年間、安倍氏に遠慮なく反旗を翻したのは石破氏が事実上唯一だった。

石破氏は2012年の自民党総裁選で安倍氏に惜敗した。一般党員選挙では勝ったが、国会議員決選投票で逆転負けを喫した。2018年9月の総裁選でも安倍氏と1対1の正面勝負で負けた。

自民党総裁は党員と国会議員が選出する。国会議員の心、派閥間の合従連衡が決定的なカギを握っている。

自民党内「石破派」所属議員はせいぜい19人、安倍氏の出身派閥である細田派(97人)−麻生派(56人)−竹下派(54人)−二階派(47人)−岸田派(46人)と比べると存在感は微微だるものだ。

だが、朝日新聞調査結果のような高支持状態が今後も続くなら、石破氏が次期首相候補の本命になるかもしれないとの見通しも用心深く出ている。

自民党議員の立場では「国民からの人気が高く、党の看板として自身の選挙に役立つ総裁」を好むよりほかないためだ。

石破氏も活動の幅を広げている。安倍内閣を支えてきた二階俊博幹事長に公開的に手を差し出したことに続き、他の派閥の若手議員に対する攻略も始めた。

石破氏の支持率が高まりながらメディアの扱いも変わった。日本メディアのうち、安倍政権との距離が最も近いとされる産経新聞は、23日付で「動く『ポスト安倍』の夏」という企画を始めたが、その初回は「石破編」だった。

反面、岸田氏を後任として目をかけている安倍氏は悩みが深まった。読売新聞は23日、岸田氏が存在感の発揮に苦慮しているという内容の記事で、首相周辺から「このままでは首相も考えを変えるのではないか」と指摘する声が出ていることを紹介した。

日本政界で石破氏に対等に渡り合える対抗馬に挙げられているのは河野氏だ。「一匹狼」と呼ばれるほど独特のキャラクターの持ち主ではあるが、大衆的な人気はかなり高い。河野氏が所属する「麻生派」は、他の派閥との関係が円満であることも河野氏にはプラス要因になり得る。

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版 2020.06.23 15:55
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