■韓国のG7参加に反対「日本が主導権を失う憂慮があるのでは」

「韓日関係が過去の垂直的な関係ではなく、水平的な関係に変り、日本がアジアにおける主導権を失うかもしれない。そういう憂慮が根底にあるのでしょう」(聯合ニュース、7月1日)

 こう話したのは、金尚祚青瓦台政策室長だ。世界貿易機関(WTO)の事務総長に韓国が立候補したことを日本が反対しているように見えることについてどう思うか、と聞かれた質問に答えたもの。

 トランプ米大統領がG7へ韓国やロシアなどを招待したが、韓国の参加について日本が反対しているという報道が流れると、青瓦台は、「恥知らずの極みで非常識」(ニュース1、6月29日)と強く反発し、「日本の態度は自ら掲げた『アジア代表の走者』という主張に傷をつけるだけだ」(東亜日報、6月29日)と報じたところもあった。


■「反日を乗り越えて、撃ち勝とう」

 進歩派の人々の中には最近、「『克美用美』(米国については、克服して利用しよう)、『用中知中』(中国はよく知って利用しよう)、『反日撃日』(日本には反日を乗り越えて、撃ち勝とう)」と話す人が出ていると中道系紙記者は言う。


「日本の最近の行動は、以前の日本では見られなかったものです。それはコロナウイルス対策の初動に失敗して世界から失笑を浴びたこととも無関係ではないでしょう。相当、余裕がなくなっていると感じています」

 日韓間で次に懸念されるのは徴用工問題で賠償を求められていた日本企業の資産の現金化が現実となった時だ。

 そうなった時、日本はまた、日韓ともに損害を被る、さらなる「輸出管理」を行うのか。


 韓国は、コロナウイルス対策では世界から認められたという自負を、そして米国からG7へ招待を受けたという自信を持っている。
 今までの韓国とは異なることを日本は見極めなければならない。

(菅野 朋子)

文春
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