久保田るり子の朝鮮半島ウオッチ

 韓国司法の場で、「反日史観」と「実証史観」が全面対決することになった。日韓でベストセラーになった『反日種族主義』を著した李栄薫(イ・ヨンフン)元ソウル大教授ら執筆陣が、元慰安婦やいわゆる元徴用工の遺族らから名誉毀損などの罪で刑事告訴され、李氏らもそれに対して逆告訴に踏み切ったためだ。遺族側には文在寅(ムン・ジェイン)政権の与党幹部が後見人に付くという異例の態勢。文政権の反日色が色濃くなるなかでの“闘争”に注目が集まっている。

与党幹部が後見人

 元慰安婦や元徴用工の遺族ら10人による告訴状は7月7日、ソウル中央地検に提出された。李氏らの著作『反日種族主義』と、その第2弾『反日種族主義との闘争』(韓国で今年5月発売)が、故人や遺族らへの名誉毀損や、国家保安法違反に当たる−などとしている。

 遺族側は主な訴えは、以下のようなものだ。

 ▽著者らは、日帝強占期(日本統治時代)に朝鮮婦女子を慰安婦として強制的に連行したことを事実ではないとし、強制徴用も虚構だとした。

 ▽日本によるコメの収奪を「輸出」だったとしたり、独島(竹島=島根県隠岐の島町=の韓国側呼称)は「反日種族主義の象徴だ」などとする虚偽の事実を広めた。

 ▽それによって元慰安婦など被害者たちに精神的苦痛を与えただけでなく、大衆に歪曲した事実を吹聴した。

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ソース
産経新聞 2020.7.25
https://special.sankei.com/a/international/article/20200725/0001.html