中国のネットユーザー、6・25休戦協定に例え「米国に帰れ」

 27日午前6時18分。中国・四川省成都にある米総領事館に掲揚されていた星条旗(米国国旗)が降ろされた。大使館の建物の壁に掲げられていたエンブレムは25−26日に既に撤去されていた。中国外務省は同日午前11時、ウェブサイトを通じ「中国側の要求に基づき、午前10時に成都の米総領事館が閉鎖された」「担当部門が正門から領事館に入り、施設を撤収した」と発表した。総領事館の建物であることを示す建物外部の案内石には、総領事館を閉鎖した中国の職員らが布をかぶせた。

 1985年に開館した成都の米総領事館が閉鎖されたのは今回が初めてだ。米国ヒューストンにある中国総領事館の閉鎖措置に対する報復として中国が同日、成都の米総領事館を閉鎖したもので、中国本土にある米総領事館は5か所から4か所へと減少した。

 中国中央テレビ(CCTV)など官営メディアは25−26日にかけ、米総領事館から物品が運び出され、領事館側が建物のエンブレムを撤去するシーンを生中継するかのように伝えた。この日も米総領事館が星条旗を降ろす場面、中国の職員たちが総領事館の中に入る場面を集中的に報じた。中国のSNS(会員制交流サイト)には米国に対する非難があふれた。「(米国人は)家に帰れ」「建物を公衆トイレとして使おう」などの書き込みが見られた。

 「今日は7月27日だ。1953年7月27日が思い出される」というコメントにも中国のネットユーザーから多くの「いいね」がついた。中国の歴史教科書は6・25戦争を米国に立ち向かった戦争と教えており、1953年7月27日に締結された休戦協定について「米国を休戦協定に署名させ、中国と北朝鮮の人民が(米国に対する)反侵略戦争で勝利を収めた」(中国人民教育出版社、中2中国歴史)と記述している。該当のコメントは、米総領事館閉鎖も中国の勝利だと言っているわけだ。中国の警察は総領事館周辺への立ち入りを禁止したが、建物周辺には閉鎖を見守る市民数百人と取材陣が集まったという。

 中国外務省の汪文斌報道官は27日の定例記者会見で、成都の米総領事館閉鎖について「米国の不合理な行為に対抗する正当な対応」だと述べた。ヒューストンの中国総領事館閉鎖に対する正当な対応だという意味だ。汪報道官は「中国の成都総領事館閉鎖の要求は国際法と国際関係の基本ルールに合致する」として「現在、中・米の間に起きていることを中国は望んでおらず、全ての責任は米国にある」と述べた。

 米国務省は同日、声明を発表し、成都の米総領事館閉鎖という中国側の決定に遺憾の意を表明した、とAP通信が報じた。成都の米総領事館は四川、雲南、貴州、重慶、チベットの五つの省・市を担当していた。

パク・スチャン特派員

チョソン・ドットコム/朝鮮日報日本語版

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