韓国の政府債務の対国内総生産(GDP)比(政府債務比率)は今年の上昇幅が通貨危機や世界的な金融危機当時を上回る見通しで、政府は財政健全性の管理に積極的に取り組むべきだとする分析が示された。

 韓国経済研究院(韓経研)は29日、「財政赤字が国家債務に与える影響分析および今後の見通し」と題する報告書を発表した。企画財政部によると、今年の政府債務は前年を111兆4000億ウォン(約9兆8300億円)上回り、対GDP比は5.4ポイント上昇する見通しだ。年間の上昇幅としては、1998年の通貨危機(3.9ポイント上昇)、2009年の世界的金融危機(3.0ポイント上昇)の当時を上回る水準だ。

 韓国政府は政府債務比率が今年時点の43.5%から2023年には51.7%に増加するとみている。同院は報告書で政府債務比率の上昇速度が過去よりも速まったと指摘した。政府債務比率が10%台(1997年)から20%台(2004年)、20%台から30%台(11年)に上昇するのにそれぞれ7年を要し、30%台から40%台への上昇には9年かかった。しかし、40%台から50%台(23年)への上昇には3年しかかからないとの予想だ。

 同院のチュ・グァンホ経済政策室長は「新型コロナウイルスによる景気低迷で財政支出が必要な時期だが、選択と集中を通じた『ピンセット財政』が求められる。政府が歳入の範囲内で歳出を行う財政準則を法制化し、それを順守しなければ、経済に与える負担を最小化できない」と指摘した。

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ソク・ナムジュン記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 2020/07/30 08:59

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