全羅北道長水郡で別名「殺人ダニ」と呼ばれるマダニ=写真=にかまれて感染した「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」の患者が10日午前、死亡した。疾病管理本部は、「夏からSFTSの患者が増えるため、野外活動や農作業をする時は注意してほしい」と呼びかけた。

 全羅北道によると、死亡した60代のAさんは先月26日、マダニにかまれた後、発熱などの症状が出て全北大学病院に入院、治療を受けたが今月10日に死亡したという。2013年から10日現在までに国内のSFTS患者は合計1190人発生し、このうち230人が死亡した。致死率は約19.3%だ。ただし、今年は患者109人のうち16人が死亡しており、致死率は14.7%と平均より低い。疾病管理本部のキム・ミヨン人獣共通感染症管理課長は「新型コロナウイルス流行でSFTSの初期症状である高熱が出るとすぐに病院に行く患者が増えたことから、早期に患者を発見・治療しているため、致死率が低くなったものと見られる」と話す。

 SFTSは野外活動中にSFTSウイルスを保有しているマダニにかまれると感染する。ダニにかまれると2週間以内に発熱、下痢、嘔吐(おうと)などの症状が現れ、症状がひどくなると血尿・血便が出たり多臓器不全を発症したりして、ひどい場合は死に至る。疾病管理本部は「SFTSはまだ予防ワクチンや治療薬がないため、早期に病院で診察を受け、治療することが重要だ」と訴えた。キム・ミヨン課長は「SFTS患者のほとんどが田畑で農作業している高齢者だ。野外で活動したり、作業をしたりする場合はダニに刺されないように長袖・長ズボンの服を着て、草の上に服を脱いで置いたり、寝転がったりするなどの行動は避けなければならない」と注意を促した。

ペ・ジュンヨン記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 記事入力 : 2020/08/11 21:00
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