菅政権が16日に発足したことを受け、野党は一斉に対決姿勢を鮮明にした。組閣では再任が8人で、初入閣は5人のみだったことから、「安倍亜流政権」「ちょっとだけ回転ずし内閣」などの名前がつけられた。

 15日に結党した立憲民主党の枝野幸男代表は、首相指名後に国会内で記者団を前に「安倍亜流政権」と命名した。「菅義偉氏は(安倍政権下の)公文書の破棄、改ざん、情報の隠蔽(いんぺい)を『問題ない』と繰り返し発言している。7年8カ月の負の部分を肥大化させるのではないか」と指摘し、直ちに国会論戦の場を設定することを求めた。

 共産党の小池晃書記局長は16日昼、国会前での集会で、菅政権を「見飽きた顔といつか見た顔で古色蒼然(そうぜん)たる面々。まさに『安倍(晋三)首相のいない安倍内閣』だ」と批判した。菅氏が「自助・共助・公助」を唱えていることについて「政治家が『まず自助だ』と言い出したら政治の責任放棄だ。自己責任を押しつける政治に対し、別の道を進んでいこう」と訴えた。

 国民民主党の玉木雄一郎代表は「安倍内閣の継承内閣の色合いが濃い。長期政権ゆえの様々なひずみ、公文書の管理の問題や役人の忖度(そんたく)のような問題は引き継がないでもらいたい」と注文をつけた。

 社民党の福島瑞穂党首は菅政権を「居抜き内閣、ちょっとだけ回転ずし内閣、新鮮味ゼロ内閣、安定路線縁故内閣」と例えた。安倍政権から閣内で横滑りが目立つことから「党の中のパワーバランスを考えた内向き内閣だ」と批判した。(小泉浩樹、吉川真布)

朝日新聞デジタル 2020年9月16日 20時21分
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