韓国外交部(省に相当)の康京和(カン・ギョンファ)長官は28日、延坪島付近の海域で韓国の公務員が北朝鮮側の銃撃で死亡した事件に対する韓国外交部の措置を尋ねる質問に「韓国と北朝鮮は憲法上、国家間関係ではなく、あらゆる点を考慮して対応案について悩まなければならない」と答弁した。

 康外相は28日、国会外交統一委員会の全体会議で、保守系最大野党「国民の力」に所属する李泰珪(イ・テギュ)議員から「北朝鮮の韓国民間人射殺事件は国際法違反か」という質問を受けた。これに対し康外相は「国際規範または人道主義に反する蛮行」としつつもこのように答弁した。蛮行であることに間違いはないが、国際法違反かどうかを問うて国際社会に向けて公式に問題提起するのは難しい、という意味だと解釈されている。ある元職の外交部職員は「板門店宣言の批准同意強行など、平素は憲法を無視して北朝鮮を国家扱いしてきた文在寅(ムン・ジェイン)政権が、窮地に陥るや突然北朝鮮を『反国家団体』と見なす憲法の精神をうんぬんしている」と批判した。

 外交部は今回の事件と関連し、対北糾弾声明も出さないなど一貫して消極的な姿勢でいるとの指摘を受けている。康長官は先週ベトナム出張から戻った後、21日から3日間、能動監視(在宅で自己チェックし、疑わしい症状が出れば申告すること)のための公暇を使い、そのため関係閣僚会議も不参加となるなど今回の事件に関する状況の共有をきちんと受けられなかったという。

 また康長官は、韓半島終戦宣言を提案した文在寅大統領の最近の国連総会演説で北朝鮮非核化に言及がなかったことについて「コロナの話に集中したので韓半島問題は分量が減り、(非核化の話が)外れた」と答弁し、その上で「そうやって何かを外したからといって、完全な非核化が韓国の目的ではないというのは明らかに違う」と釈明した。

 こうした中、訪米中の李度勲(イ・ドフン)外交部韓半島平和交渉本部長は27日(現地時間)、文大統領が提案した終戦宣言との関連で「(米国が)どういう考えをしているか対話を交わしてみようと思う」と語った。ワシントンのダレス国際空港で取材陣と対面した李本部長は「終戦宣言も話し合うのか」という質問に対し「当然、話をする考え」だと答えた。李本部長は「米国も終戦宣言に関心を持って検討したことは多い」とし「無条件に『いい』『駄目』と言う前に、一緒に話ができる共感部分があると思う」と語った。

朝鮮日報日本語版 9/29(火) 15:00
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(写真:朝鮮日報日本語版)
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