中国で近年、話題を集めている言葉の1つに、「精日(精神日本人)」というものがある。「精日」とは「精神日本人」という中国語を短縮させたもので、「精神的に自らを日本人とみなす中国人の若者」を指す言葉だ。

 王毅外相が過去に「精日は中国人のくずだ」と発言したことでも知られ、「精日」と呼ばれる中国人の行動や思想についてはネット上で論議されることも多い。中国のQ&Aサイトの知乎にこのほど、「中国に精日がいることをどう思うか」と問いかけるスレッドが立ち上げられ、中国人ネットユーザーたちから様々な意見が寄せられている。

 日本人からすれば、中国では反日感情を持つ人ばかりというイメージがあるかもしれないが、実際には中国では「精日」と呼ばれる人たちが少なからず存在するらしい。こうした現状について、中国人ネットユーザーからは「実際には精日はそれほど多くはない」はずだが、一部の精日が警察当局によって身柄を拘束されるなど注目を集めることが多いことから、「精日に対して悪いイメージを持つ人が圧倒的多数だ」という意見もあった。

 また、別のネットユーザーからは、「精日のように大衆と逆向する極端な思想を持つ人に対して、社会全体が不快感を持つのは致し方のないことだ」とする声も寄せられた。さらに、精日について「日本の文化に多く触れてしまい、洗脳されてしまった」として、日本のアニメや漫画好きの若者を批判する声もあるが、「日本のアニメや漫画を見てその作品のファンになることはあっても、それだけで日本に崇敬の念を抱くほど思想に極端な影響を受けることはないはずだ」とする意見も寄せられた。

 他にも、一部の精日が極端な行動に走る要因の1つとして、「中国社会に対する強い不満や将来に対する絶望が大きい」という意見もあり、「大衆に反対を唱えることで自分の存在意義を見出そうとする若者が選んだのが日本だっただけで、もしかしたら日本以外の国でも良かったのかもしれない」という意見も見られ、中国人のなかでも精日と呼ばれる人に対する評価や意見は定まっていないのが実態のようだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)

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