韓国の与党指導部、法改正を公論化 「国威宣揚・経済的波及効果 大衆文化芸術家にも特例の適用を」

 防弾少年団(BTS)のように、国威宣揚に肯定的な影響を及ぼした大衆文化芸術家に対する兵役特例が必要だという声が、与党指導部から上がっている。世界の舞台で名声を博した大衆芸術家にも兵役特例を適用すべきだという主張は、「韓流ブーム」がアジア圏を超えてヨーロッパや米州地域まで広がりを見せるにつれて高まってきたが、軍服務者の激しい反発と公平性をめぐる論議で、その反響は長続きしなかった。しかし、BTSがポップスの本場である米国でビルボードシングルチャート1位を占めるなど、世界的なシンドロームを起こし、世論が変化する兆しを見せたことを受け、政界が先に法改正問題を取り上げたのだ。

 共に民主党のノ・ウンレ最高委員は5日、党最高委員会議で「BTSは1兆7千億ウォン(約1550億円)の(経済的)波及効果を一気にもたらした。韓流の拡散と国威宣揚の価値は推定すらできない」とし、「これからBTSの兵役特例を真剣に論議しなければならない」と発言した。さらにノ議員は、「現在、産業技能要員や専門研究要員、芸術・体育要員の代替服務制度はあるが、BTSのような大衆文化芸術分野はこれに該当しない。客観性と公正性を保てるかが懸念されるなら、多くの専門家で構成された文化・芸術公的審議委員会を設置し、(兵役特例を)判断すればよい」と強調した。ノ議員は、ハンギョレの電話インタビューで「純粋芸術と大衆芸術を区分しにくい融合・複合の時代に大衆文化芸術家だけ兵役特例から除外するのは差別ともいえる。これに関し、兵役法改正案を準備中だ」と述べた。

 現在、国会には大衆文化芸術分野の優秀者の場合、満30歳まで入営を延期できるようにする法案がチョン・ヨンギ民主党議員によって発議されている。現行の兵役法は大学生や大学院生、研修機関研修生、体育分野優秀者などに限り、入隊の延期を認めている。ノ・ウンレ議員が準備している法案には、さらに一歩進んで兵役特例を認める内容が盛り込まれている。ただし、民主党関係者は「大衆文化芸術家の兵役特例に対する共感が党内に形成されたわけではない」と述べた。

 兵役法改正案が発議されても、立法化まで越えなければならないハードルが高い。兵役問題は若者世代に敏感な公正性の問題と直結する問題であり、政界が簡単に結論を下すことができないからだ。特例を適用する基準を定めることも容易ではない。スポーツ選手は五輪・アジア大会のメダルに資格が与えられるが、大衆文化芸術家の場合は基準を設けるのが難しい。

 BTSの所属事務所は現在、最高齢メンバーのJINが大学院に在学中であるため、入隊を2021年まで延期できるものと見ている。

チョン・ファンボン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

ハンギョレ新聞 10/6(火) 14:58
https://news.yahoo.co.jp/articles/2db167d4731a0eef66e9a77c1ff29da03574bd6f

防弾少年団(BTS)=ビッグヒットエンターテインメント提供
https://i.imgur.com/Ud9u0ZT.jpg