【北京=西見由章】中国共産党の重要会議、第19期中央委員会第5回総会(5中総会)が26日、北京で開幕する。習近平党総書記(国家主席)は中長期目標の議論を通じ、2022年秋以降、3期目となる総書記続投へ道筋をつけたい考えだ。最高指導部の次期人事をめぐる党内の駆け引きも水面下で激化している。

 共産党関係筋によると、5年に1度開かれる22年秋の次期党大会で大幅に入れ替わる最高指導部の政治局常務委員(現行7人)について、上海市トップの李強・党委員会書記の昇格が有力視されている。李氏は習氏が02〜07年に浙江省トップを務めた際の部下で、習氏の“子飼い”。次期首相候補との呼び声もあり、党大会前に前倒しの昇格を模索する動きもあるという。

 習派は李氏のほか、習指導部の“大番頭”として党内調整を取り仕切ってきた丁薛祥(てい・せつしょう)中央弁公庁主任や、李氏と同様に浙江省で習氏に仕えた陳敏爾(ちん・びんじ)重慶市党委書記も政治局常務委員に昇格させたい考えだ。

 習指導部は5中総会前の今月中旬、習氏を「党中央や全党の核心」として擁護する義務を盛り込んだ党規則を策定。習氏は慣例打破となる3期目続投に向けて布石を着々と打っている。

 一方、李克強首相や汪洋(おう・よう)人民政治協商会議(政協)主席ら党の共産主義青年団(共青団)出身者は、長期政権化を狙う習派と距離を置く。最高指導部の人事でも共青団派の胡春華(こ・しゅんか)副首相を推す動きがあり、習派との激しい駆け引きが続いているもようだ。

産経ニュース 2020.10.25 19:01
https://www.sankei.com/world/news/201025/wor2010250028-n1.html