(台北中央社)日本統治時代に活躍した台湾人画家や当時の台湾美術界の振興に貢献した日本人画家の作品が一堂に会する展示会が台北市内で開催中だ。作品の数々は台湾の文化を伝える記憶の宝庫と称えられており、展示会を通じて人々が過去を見つめ、それと対話するきっかけになればとの期待が寄せられている。

「不朽的青春―台湾美術再発見」と題された同展示会。時代の流れに埋もれたり台湾の多湿な気候で破損したりした多くの作品を、台北教育大学北師美術館が修復・整理した。台湾近代美術を代表する洋画家の陳澄波や陳澄波らを育てた石川欽一郎など47人の作品計74点が展示され、中には日本から運ばれてきた作品も3点含まれる。

このうちの1つは、陳澄波の「東台湾臨海道路」。防府市(山口県)出身で台湾総督を務めた上山満之進の依頼を受けて、1930年に描いたもので、市立防府図書館に所蔵されていたことが近年明らかになった。今回は90年ぶりの“帰郷”となる。他の2点は、日本人画家、西郷孤月が1912年に手掛けた「台湾風景」、台湾の女流画家、チェン・ジン(陳進)が先住民・パイワン族をテーマに描いた1936年の作品「サンティモン社の女」。

展示は北師美術館で来年1月17日まで。

(鄭景雯/編集:荘麗玲)

中央社フォーカス台湾 2020/10/31 19:02
https://japan.cna.com.tw/news/asoc/202010310005.aspx

https://i.imgur.com/jR0NLbX.jpg
陳澄波の作品「東台湾臨海道路」