「見えない予算」の可視化を――。12日に始まる行政事業レビューの公開検証「秋のレビュー」を前に、旧民主党政権下で事業レビューを主導した立憲民主党の蓮舫代表代行は5日、国会内で記者団の取材に応じ、予算を隠そうとする霞が関によって「骨抜き」のレビューにならないよう、くぎを刺した。

 事業レビューは各省庁が予算の使途を外部有識者を交えて検証する取り組み。もともと旧民主党下の2010年に始まったが、現在の事業レビューは新しいルールに基づいて13年から実施している。旧民主党政権では外部有識者や政治家が官僚に向かって予算の妥当性を問う「事業仕分け」も国民的な関心事となり、蓮舫氏はその中核メンバーとして「仕分けの女王」の異名をとった。

 安倍前政権では補正予算の編成が繰り返されたが、蓮舫氏は「事業レビューで廃止判定になっても補正予算に組み込まれる事業がある。そこを見るべきだ」と強調。今回のレビューでは、経済産業省や環境省など複数省庁にまたがる再生エネルギーの促進事業が対象になる見通しだが、「(再エネ事業は)単年度で予算を使い切れず翌年度に繰り越されている」「姿、形を変えて見えないようになっている」などと指摘し、あの手この手で予算を確保しようとする各省の手口も追及するよう訴えた。

 秋のレビューは12日から4日間の日程で開催。河野太郎行政改革担当相の下、教育現場のオンライン化の推進事業(文部科学省)など約10の事業を対象とする見通しで、ネット中継もされる。【高橋祐貴】

毎日新聞2020年11月5日 20時35分(最終更新 11月5日 20時55分)
https://mainichi.jp/articles/20201105/k00/00m/020/245000c