強制動員被害者賠償判決を履行していない三菱重工業が、韓国裁判所が現金化に関する公示送達手続きを進めたことについて、「(裁判所に)意見書を提出する予定」だと発表した。2018年11月、韓国最高裁(大法院)の確定判決から2年後に初めて公式対応を示したのだ。

NHKの10日の報道によると、三菱重工業は「日韓両国間およびその国民の間の請求権に関する問題は、日韓請求権協定により『完全かつ最終的に解決』され、いかなる主張もできなくなったと理解している」とし、「政府間のやりとりの現状なども踏まえ、審問書に対して意見書を提出する予定」だとコメントした。

強制動員被害者と遺族5人は2012年10月に三菱重工業に対して損害賠償訴訟を起こし、2018年11月、韓国最高裁で勝訴判決を受けた。三菱重工業が判決を履行しなかったため、被害者と遺族は大田(テジョン)地裁に韓国国内にある同社資産の差し押さえ手続きを申し立てた。

これを受け、大田地裁は差し押さえ事件の処理のため、三菱重工業に対する審問書を公示送達し、2カ月後の10日0時からその効力が発生した。公示送達とは、訴訟相手が裁判の進行に必要な書類の受け取りに応じない場合、裁判所の掲示板や官報などに掲載した後、その内容が伝えられたものとみなす制度だ。

ただし、意見書を提出したからといって、公示送達の効力発生が中止されるわけではなく、三菱重工業が意見書を提出した背景や訴訟に及ぼす影響などは、現在のところ把握できない。

これに先立ち、今年8月、最高裁の賠償判決を履行しない別の加害企業である日本製鉄(旧新日鉄住金)は、韓国裁判所の資産差し押さえ命令を不服として即時抗告を行った。


2020-11-11 08:26 ハンギョレ新聞
http://japan.hani.co.kr/arti/international/38280.html