2020年12月21日(月)18時25分
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2020/12/post-95233.php

<表向きは、違法な越境と感染症の拡大防止を目的としているが...>

中国はミャンマーとの国境に2100キロに及ぶ有刺鉄線の「壁」を築いているようだ。米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が12月半ば、中国南部の雲南省で撮影された有刺鉄線のフェンスの写真を報じた。写真はミャンマーに接する同省内で撮影され、ソーシャルメディアに投稿されたものとみられる。

中国の報道ではフェンスの建設は違法越境と新型コロナの感染防止とされているが、中国国内の反体制派の国外逃亡を防ぐ目的かもしれない。雲南省に隣接するミャンマー側の国境地帯から配信されたとみられるツイッターの投稿によれば、フェンスは「南部の万里の長城」と命名され、2022年10月までの完成を目指し現時点で約660キロが完成したという。

RFAは、フェンスは中国の労働者がミャンマーに流出するのを防ぐためとする識者の見解を報じた。2020年10月には、同じ理由で中国がベトナムとの国境に「壁」を築く様子も報じられている。