【社説】ワクチン失敗経緯を徹底的に明らかにして責任を問うべき=韓国


英国・米国・カナダなど先進国に続き、アジアで初めて一昨日シンガポールにファイザーワクチン第1回分が到着したという外信に接した韓国国民の心情は
羨望を越えて心が千々に乱れている。

近く日本もワクチンを接種するということで、「向こう岸の他人の家の宴会」を指をくわえて見ているだけの境遇に陥ったためだ。

それでも文在寅(ムン・ジェイン)大統領は昨日の5部要人招請懇談会で明確な根拠提示もなく
「われわれも特に遅くないうちに接種できると信じていて、準備を順調に進めている」と話した。

続いて「最近、ワクチンのために心配が多いが、ワクチン開発国で先に接種が行われることは別の見方をすれば不可避なこと」と強調したが、
大統領の状況認識には戸惑うばかりだ。

こうした中、文政府がなぜワクチン早期確保に失敗したのか、情けない内幕と実状が一つずつ明らかになっている。
真相を徹底的に調査して必ず責任を問わなければならない。丁世均(チョン・セギュン)首相は一昨日、ある番組に出演して
「政府がワクチンTFを稼動した7月感染者数が100人水準なのでワクチン依存度を高める考えがなかった側面がある」と吐露した。

首相のこの発言は専門家がワクチン確保の重要性を力説している時、この政府がどれほど安易に状況を認識していたのかを生々しく物語っている。

実際、6月末から稼動し始めたワクチンTFは金尚祖(キム・サンジョ)青瓦台政策室長が主導したが、その後金室長が抜けて政策推進力が落ちた。
その後、保健福祉部と疾病管理庁の実務者級がTFを運営したところ、果敢な購入意志決定を下すことができなかった。

その間に鄭銀敬(チョン・ウンギョン)疾病管理庁長は権ジュン郁(クォン・ジュンウク)国立衛生研究所(NIH)所長が務めていたワクチンTFを、
ワクチン専門家ではない防疫専門家の羅聖雄(ナ・ソンウン)疾病庁次長に渡した。

ワクチンの契約経験がなく、アストラゼネカの他にファイザーやモデルナなどとは個別接触議論段階にも至っていなかったというから嘆かわしい。
企画財政部はばらまき事業に数十兆ウォンを使ったのに、国民生命を守る予算配分にはこの上なく吝嗇だったというから信じられない。

青瓦台と政府の一部から「K防疫によってコロナ統制は可能で、ワクチンは急がなくても1月になれば国産治療剤が市販される」という間違った認識が広がり、
ワクチン確保に消極的だったという。ワクチンよりも治療剤を盲信して誤判断を下したせいでワクチン確保に支障をきたしたということだ。

そうしているうちに10月にワクチン確保のためにベッティングする最後の機会を逃したという。
文大統領は一歩遅れて11月末にG20のテレビ会議で「公平なワクチン配分」を力説したがすでに主要先進国がワクチンを先行獲得した後だった。

李鍾求(イ・ジョング)元疾病管理本部長は一昨日、中央日報とのインタビューで
「2月と6月、青瓦台会議に出席して文大統領に2回もワクチンの重要性を強調したが効果がなかった」と衝撃的な証言をした。

その時、青瓦台参謀が専門家の忠告を制止せずに声に耳を傾けていたら、ワクチン成績表がこれほどみすぼらしいものにはなかっただろう。
https://news.yahoo.co.jp/articles/5c7ab40161d702be9cf9d18124a68e17e08ce565