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▲パク所長が昨年出版した日本批判書の表紙//ハンギョレ新聞社
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▲日本批判書を発行した歴史研究家パク・チョルスン所長 //ハンギョレ新聞社

 『不都合な歴史-アジアを覆う日本の暗い影(An Inconvenient History: Japan's Dark Shadow on Asia)』。韓国情報通信技術協会ソフトウェア試験認証研究所のパク・チョルスン所長(写真)が「チャールズ・パク」というペンネームで昨年8月に英語で出版した本だ。アマゾンのKindle(キンドル)には電子書籍と紙の本が両方とも出ている。「執筆に10年近くかかりました。アマゾンに紙の本の出版を申請したら、審査が行われた後、出そうと言われました」

 今月5日、京畿道城南市(ソンナムシ)のソヒョン駅近くの事務所で取材に応じたパクさんは、執筆の動機をこのように明かした。「日本の変化を引き出すには、国際社会が日本の本当の姿を正しく認識しなければならないという考えから、英語で書きました。エズラ・ヴォーゲル元ハーバード大学教授が書いた『ジャパン・アズ・ナンバーワン』のように、これまで外国で出た日本をテーマとする本を見ると、ほとんどが日本を美化しているんです」

 パクさんは行政国家公務員試験に合格し、1995年から21年にわたって情報通信政策を扱う公職者として働き、5年前に退職した。彼が率いる研究所は、ソフトウェア試験評価と認証を主に行っているが、最近は人工知能の評価も加わったそうだ。約230人の職員の70%が修士または博士号を持っている。

 同書は、近代日本の侵略によってアジア諸国が受けた被害と、日本が領土拡張に乗り出した背景、そして戦後に日本の戦争責任をきちんと問えなかったことなどを指摘し、日本と国際社会が共存共栄するための代案も提示している。また、天皇制や侍文化など、日本と日本人を正しく理解する上で役立つ歴史的背景も扱っている。「アジア諸国が日帝の侵略によって受けた被害を総合的にまとめました。英語でこんな本は見た記憶がありません。日本人の文化と心理も文化人類学的方法で分析しました」

 パクさんは韓国語でも出すために翻訳しているが、韓国での出版は自らの意図とはあまり合致しないという。「外国でたくさん読まれるべきだからです。西洋などの外国人たちが本の内容に共感して、日本へ変化を迫る圧力として作用することが重要です。敗戦後のドイツの変化も、イスラエルや米国のユダヤ人社会やフランス、イギリスなどの周辺諸国の圧力が作用した結果です。しかし、日本は違いました。戦後、韓国やベトナムは分断状態にあり、中国は社会主義体制であるため、圧力をかけられませんでした。その間に日本は米国にくっついて自国の利益を得てきました」

 パクさんは、本のタイトルにある「不都合な」という表現について次のように述べた。「西洋の人々はこれまで、自分たちと同じ先進国だとして、日本を良いイメージで見てきました。しかし私の本を読めば日本が過去に残虐な行為をしたにもかかわらず反省していなかったり、アジア支配を栄光の歴史として歪曲したりしているのを見て、居心地の悪さを感じざるを得ないでしょう。日本人も表に出ていなかった自分たちの醜い歴史を見て、また韓国人は過去の傷を振り返らねばならないわけですから不都合でしょう」

 本の表紙には、1937年12月に日本軍が中国の南京城に進入する記念式の写真を使った。「日本軍は南京において6週間で30万人を殺しました。表紙の写真は私が6年前に南京大虐殺記念館で撮ったものです」
(中略:著者紹介)

 本が出版されて4カ月が過ぎた。反応は? 「アマゾンで数百冊売れました。昨年11月から宣伝を始め、米国、英国、オーストラリア、シンガポールの主要メディアに本を送ったんですが、まだ報道されていません。これからユーチューブで本格的に宣伝しようと思っています。来月までにユーチューブに本の紹介動画を5〜6本アップする計画です」
(記者注:amazonでの評価は★5つが3件のみ。カスタマーレビュー無し)

文・写真/カン・ソンマン先任記者
http://www.hani.co.kr/arti/culture/book/977626.html
韓国語原文入力:2021-01-06 19:39訳D.K

ソース:ハンギョレ新聞日本語版<[インタビュー]「侵略反省ない『日本の素顔』を知ってもらうため英語で書きました」>
http://japan.hani.co.kr/arti/culture/38760.html