2019年6月6日、顕忠日。国立大田顕忠院の将軍墓域に、民族問題研究所、平和在郷軍人会など親与党系団体のメンバー数十人が集まった。一行は有功者の墳墓や墓碑に、準備してきた家畜の排せつ物をぶちまけた。参加者らは旗を振って歓呼し、手をたたいた。「この×野郎」など悪口を言う人もいた。

 一行は「民族の反逆者の墓を掘り進め!」と記した模型のシャベルを持ち、墳墓を足で踏みつけて「破墓パフォーマンス」を行った。「追い出そう」というスローガンも声の限りに叫んだ。あるプラカードには「歴史のごみを整理しよう」と記されていた。墓の前にある石の置物を踏みつけ、弔花を引き抜いて墳墓に投げ付けたり、墳墓に旭日旗をかぶせたりもした。韓国政府の関係者は「当時、周辺には悪臭が漂い、墓碑を洗うのにかなり手こずった」と語った。参加者らが汚物をまいてパフォーマンスを繰り広げた墓に埋葬されていた人々は、現代史の中で一部日帝に協力したこともあるが、韓国の建国後は6・25などで功績を上げた。論争はあるものの、国立墓地の埋葬条件を満たした人々だ。

 2月5日、大田顕忠院にあるペク・ソンヨプ将軍の墓の案内板が撤去されるや、「親与党系の諸団体が『親日清算』を主張して国立墓地で行う各種デモは非常識」と指摘する声が上がっている。韓国軍関係者は「亡くなった人々の歴史的功罪を取り上げたり移葬を主張したりするのは、明らかに各自の自由」としつつも「だが墓を踏みにじり、汚物をまいたり悪口を言ったりするのは社会の感情に背くもの」と語った。「現代版『剖棺斬屍(し)』(墓を暴いて遺体の首を斬ること)」というわけだ。

民族問題研究所などは「日本軍・満州軍の経歴がある親日派は大田顕忠院だけでも28人埋葬されている」とし「すぐに移葬すべき」と主張する。しかし、亡くなった人々は6・25戦争などで挙げた功績が認められ、顕忠院に埋葬された−というのが国家報勲処の公式見解だ。会社員のキムさん(32)は「親日が悪いというのは分かるが、他の有功者の方々もいらっしゃるではないか」とし「一般の共同墓地でも想像できないことが国立墓地で堂々と行われるのだからショック」と語った。


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