中国のポータルサイト・新浪に10日、「どうして製薬大国と称される日本で、自前の新型コロナワクチンが開発されないのか」とする記事が掲載された。

 記事は、「日本は製薬大国であり、中国をはじめとする世界には多くの日本の医薬品ファンがいるイメージがある。イメージ通りであれば、日本は短期間のうちに新型コロナワクチンを開発して全国民への接種を早々に実現しそうなものだ」とした上で、現実では非常に厳しい状況にあると紹介。中国や米国で国民へのワクチン接種が進む中、日本では5月6日現在で全国民のわずか2.4%しか接種を受けていないのだと伝えた。

 そして、日本でのワクチン接種が遅れている根本的な理由として、国産のワクチン開発が進んでいないことがあると指摘。日本では現在アンジェスを含む5つの製薬会社がワクチン開発に取り組んでいるものの、最も進んでいるとされるアンジェスでさえしばらく進展がなく、先ごろようやく臨床2次試験が行われたばかりで、実用化までにはなおも相当な時間がかかる見込みだとしている。

 また、日本国内では新型コロナウイルスに対する日本政府の反応の鈍さについて各界から批判の声が出ているとしたほか、日本政府が初期段階で調達したコロナワクチン開発予算はわずか100億円と、米国の2兆円に比べて微々たるものだったため、ワクチン開発に対する企業の積極性が生まれなかったと解説した。

 さらに、日本ではこれまでに子宮頸がんワクチンなどの副反応で訴訟沙汰になるという苦い経験があるため、政府も国民もワクチンに対して慎重になってしまう側面があるとしたほか、製薬会社の人手不足、日本における新型コロナに対する意識の低さなどが、日本のワクチン開発を大きく遅らせた要因になっていると伝えた。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)

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