トヨタ自動車が12日発表した2021年3月期連結決算は、売上高が前期比8.9%減の27兆2145億円、純利益が10.3%増の2兆2452億円だった。利益水準は独フォルクスワーゲン(約1兆3200億円)、ゼネラル・モーターズ(GM、約6800億円)、現代・起亜自動車(3兆6000億ウォン=約3500億円)など世界の主要完成車メーカーを圧倒した。

 コロナショックによる販売減少、深刻な車載用半導体不足の中でトヨタがサプライズ決算を発表したことについて、日本経済新聞は「半導体のような重要部品の在庫を4カ月分確保していたためだ」と指摘した。他社は半導体が確保できず、工場の稼働を中断しなければならなかったが、トヨタはその影響を最小化することができた。

 近健太執行役員は業績発表で「東日本大震災以降、部品サプライチェーンを改善したことが半導体危機の際に大きな役割を果たした。半導体問題はリスクだったが、大きな影響は与えなかった」と述べた。トヨタは1950年代から「ジャスト・イン・タイム」方式を導入した。大量の部品在庫を持たず、必要な量だけをその都度調達してコストを減らし、収益性を最大化する方式だ。しかし、2011年の東日本大地震で部品生産に支障が出て、自動車工場を稼働できなくなって以降、ジャスト・イン・タイム一辺倒から脱し、半導体など重要部品は在庫を最大限確保する方式へと転換した。例えば、トヨタの系列部品企業デンソーは在庫を11年時点の38日分から昨年には50日分に増やした。結局トヨタはトヨタ方式を捨てることでコロナ危機を克服した格好だ。

 一方、ジャスト・イン・タイム方式を模倣した欧米の自動車メーカーは工場の稼働停止が相次ぎ、今年1−3月だけで130万台の生産損失が出たと推定される。ウォール・ストリート・ジャーナルは「効率性を最大化したジャスト・イン・タイム方式はコロナ以降、脆弱性が表面化した。必要な時に必要な部品の供給をいつでも受けられるという基本的な仮定を全面的に再検討すべきだ」と指摘した。

尹炯準(ユン・ヒョンジュン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 記事入力 : 2021/05/14 07:31
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2021/05/14/2021051480002.html