https://i.imgur.com/08H3GVC.jpg
▲写真=NEWSIS

 2019年の国際芸術祭「あいちトリエンナーレ」で慰安婦被害者を象徴する「平和の少女像」展示を可能にした自治体長をやめさせるため、リコール(解職請求)運動を主導した4人が警察に逮捕された。日本の各メディアが19日、報道した。2年前に展示された「平和の少女像」がなぜ今、日本社会に波紋を呼んでいるのだろうか?

−誰が、なぜ逮捕された?

 元愛知県議で署名活動団体「愛知100万人リコールの会」事務局長の田中孝博(59)容疑者とその家族2人、同事務局関係者の4人だ。田中容疑者は昨年8月からこの団体の事務局長を務め、大村秀章愛知県知事の解任を要求するリコール運動を主導した。しかし警察は、この団体が提出した43万5000人の署名のうち83%が偽造されたものと見なし、田中容疑者らを地方自治法違反(署名偽造)容疑で逮捕した。

−愛知県知事リコール運動と平和の少女像、どのような関係があるのか?

 2年前、日本最大規模の国際芸術祭「あいちトリエンナーレ」が名古屋市で開催され、平和の少女像や天皇を批判する作品なども展示された。右翼はこれに強く反発した。「日本国民の税金を平和の少女像展示に使ってはならない」ということだ。大村知事は「表現の自由を損なう行動になる恐れがある」と閉幕1週間前に展示を再開した。

 騒動は閉幕後も続いた。右翼勢力の支持を受ける河村たかし名古屋市長が、市が負担する行事費用の支払いを中止し、愛知県は地裁に提訴した。すると、有名整形外科チェーン「高須クリニック」の高須克弥院長ら大物の右翼系の人物たちが「愛知100万人リコールの会」事務局を作り、大村知事リコール署名運動を開始した。

−なぜ署名を偽造したのか?

 右翼はあいちトリエンナーレ事務局に1万件以上のテロ脅迫メールを送ったり、電話をかけたりして世間を騒がせた。しかし、実際に大村知事のリコール運動が始まってみると、参加する人は多くなかった。田中容疑者は逮捕直前、「高須氏がソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)で勝利を確信する内容を投稿してしまった。事務局長として恥はかかせられなかった」と朝日新聞に語っていた。

−日本社会の反応は?

 大村知事は19日に記者会見を開き、「民主主義を壊す暴挙と言わざるをえない」と批判した。民主主義の花である住民リコール制を侮辱したということだ。この運動を日本全国に広めていた大物右翼の高須院長は「偽造されたことを知らなかった」と述べた。


チェ・ウンギョン記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 記事入力 : 2021/05/20 07:36
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2021/05/20/2021052080001.html