中国共産党の中央政治局は5月31日に会議を開き、少子高齢化への対応として1組の夫婦につき原則2人までとしていた出産制限を緩和し、3人目を認める方針を決定した。しかし、世論はその効果に疑問を抱いているようだ。

中国政府は2016年に「一人っ子政策」を撤廃し、2人目の出産を認めたものの、その後も出生数の減少傾向が続いていた。会議では3人目の出産を認めることについて「わが国の人口構造の改善、高齢化への国家戦略の対応、人的資源の優位性の維持」が目的だとした。

しかし、この発表を受け、中国版ツイッター・微博(ウェイボー)には疑問を抱く声が殺到。「3人目を許可することと、制限を撤廃することに違いはあるのか」「3人目どころか1人目も生みたくない」「産んだって育てる金がない」「政府が育ててくれるのか?」「産んでも搾取されるだけ」「笑える。結婚すらしたくないのに3人目だって?」「まずは不動産価格、教育、医療の問題を解決してから(出産制限緩和を)語れ」などのコメントが書き込まれた。

また、国営の新華社が微博上で行った「3人目の出産が可能に。準備はできていますか?」とのネットアンケートでは、「準備ができていて待ちきれない」「迷っている」などを選択した人は1割にも満たず、実に9割以上が「全く考えていない」を選択した。なお、このアンケートは後に削除されたようだ。

中国の出生率が低いのは制限があるからではなく、教育にかかる経済的な負担が大きいからだと指摘する声も多く、今回の措置の効果は不透明。ネット上では「ロールス・ロイスを3台買わないのは、購入制限があるからなのか?」との言葉も流行している。(翻訳・編集/北田)

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