香港警察は7月30日、東京オリンピックのフェンシング男子フルーレ個人で優勝した香港の選手の表彰式で中国国歌を侮辱したとして、市内で観戦していたネットメディアの男性記者(40)を国歌条例違反の疑いで逮捕した。香港で昨年6月に中国国歌への侮辱行為を禁じる条例が成立して以来、初めての逮捕となった。

 香港メディアによると、26日にフェンシング男子で張家朗選手の試合が大型商業施設で中継され、多くの市民が集まった。表彰式で中国国歌が演奏されると、ブーイングが上がり、「We are Hong Kong(私たちは香港)」というかけ声が上がった。男性記者は英国の植民地時代の旗を掲げて、歓声をあおったとされる。

 国歌条例に違反すると、最高で3年の禁錮刑や5万香港ドル(約70万円)の罰金が科される。

 香港は中国とは別チームとして五輪に参加しており、張選手は1997年の香港の中国への返還後、香港選手として初めて金メダルを獲得した。地元メディアによると、英国と中国は返還協議などで、五輪には香港チームとして出場できるが、香港選手が金メダルを獲得した際の表彰式では中国国歌を演奏すると決めたという。【台北・岡村崇】

7/31(土) 16:28配信 記事元 毎日新聞
https://news.yahoo.co.jp/articles/f1bf97bf606a0958ffebd4de2feed4fbcd42efb5