【ソウル時事】来年3月9日の韓国大統領選まで約半年となり、革新系与党「共に民主党」は李在明・京畿道知事(56)の優位が鮮明になりつつある。李在明氏は地域別予備選の序盤で過半数を獲得。来月10日に候補が決まる予定だが、陣営関係者は「このまま行く確率が90%以上」と自信を示した。

大統領選予備選が本格スタート 前検事総長を元代表追う―韓国最大野党
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 4日に大田・忠清南道、5日に世宗・忠清北道で行われた与党の最初の地域別予備選で李在明氏は得票率54.7%。2位の李洛淵元首相(68)は28.2%にとどまった。まだ序盤だが、忠清地域は「全国のバロメーター」として最初の地域に選ばれただけに、李在明陣営関係者は「予想以上だ。『李在明で決まり』という有権者心理が強まる」と語った。

 開票に先立つ5日の合同演説会では、李在明氏が「実行力」を強調し「本選で勝てる候補は誰か」と訴えたのに対し、文在寅政権で首相、党代表を務めた李洛淵氏は「文政権の哲学を継承する」とアピールした。

 李在明氏は歯切れがよい語り口で「勝負師」イメージが強く、大衆的人気がある一方、党内では非主流派。文政権の中核支持層からは不人気とみられていた。しかし、党費を納める熱心な党員中心の今回の予備選で圧勝し、こうした見方を覆した形だ。李洛淵氏は、政権支持層を取り込んで李在明氏の過半数獲得を阻止し、上位2人の決選投票に持ち込んで逆転を期す戦略だったが、状況は厳しさを増している。

 一方、11月上旬に候補を選出する保守系最大野党「国民の力」では、支持率トップの尹錫悦氏(60)が検事総長だった昨年4月、検察幹部が野党側関係者に対し、検察や尹氏の批判者を刑事告発するよう依頼した疑惑が浮上した。

 真偽は不明だが、与党は徹底追及の構えで、尹氏の逆風となるのは避けられない。尹氏を追う洪準杓元自由韓国党(国民の力の前身)代表(66)も「国民に謝罪すべきだ」と攻勢を強めている。

時事ドットコム 2021年09月06日20時33分
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6日、韓国・原州で、記者会見する革新系与党「共に民主党」の李在明・京畿道知事(EPA時事)