◆韓国ではインフレを実感するようになった

 新型コロナウイルス感染症の流行が長期化し、家で食事をするためにスーパーで買い物をする機会も増える。

 また値段が上がったかなと感じることが多くなったが、調べるとこのところずっと物価上昇が続いているのだ。

 インフレ――。

 この単語が経済ニュースで頻繁に取り上げられるようになっている。

 原油価格の高騰、コンテナ輸送能力の不足による物流停滞、人件費高騰、半導体など部材の不足・・・需要もさほど強くないが供給面での制約が多くインフレ懸念は世界的な現象だ。

 米国の消費者物価指数は5%を超えている。

◆卵43%、レタス35%、ニンニク16%…

 韓国でも、資源や原材料の値上がりで、物価がじわじわ上昇し、企業活動や経済全体に影響を与えるとの懸念は強まっている。

「物価上昇」を日々感じるようになってきた。たたでさえ日本に比べて生活用品の価格が高いと感じることが多いのに、最近、いろいろな価格がさらに上昇している。

 牛乳、卵、ハムなど食品が代表例だ。いったいどうなっているのかと調べてみて驚いた。

 韓国の統計庁が発表した9月の主要品目物価上昇率(前年同月比)は、卵43%、レタス35%、ニンニク16%、ラーメン9%などだった。

 調査対象ではないが牛乳もかなり値上がりした印象だ。大根や白菜など値下がりした品目もあるが、全体としてみれば食品は値上がり傾向だ。

 さらにディーゼル23%、ガソリン21%など燃料価格も大幅に上昇した。

 これらをすべてひっくるめた9月の消費者物価指数は前年同月比で2.5%上昇したのだ。

◆10月の消費者物価指数上昇率は3%台に

「消費者物価上昇率が3%台になるなんて久しぶりですね」

 2021年10月20日、朝のニュースでこんな話題があった。

「10月の消費者物価上率が3%台に上昇する」――韓国のエコノミストの間で相次いでこんな見通しが出たのだ。

 消費者物価上昇率が3%台になるのは、2012年2月以来のことだ。ほぼ10年ぶりのことになる。

 つい2、3年前まで韓国でも「デフレ」への懸念が急速に出ていた。

 2019年の消費者物価上昇率が前年比0.5%となり、それ以降も、毎月の上昇率が1%に達しないことが多かったのだ。

「日本化の始まりか?」

 ここ数年、韓国経済に関する懸念の一つが、日本が歩んだ長期経済停滞の道をそのまま進んでいるのではないかという点だった。

以下ソースにて

JBpress 2021.10.22(金)
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/67431