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 「ソウル特別市」という市の名称から「特別」という単語を削除するよう呼び掛ける法案が1日、発議された。首都圏一極集中を是正し、国家としてバランスよく発展するために必要だとの理由からだ。

 韓国最大野党「国民の力」の尹永碩(ユン・ヨンソク)議員は1日、同党の議員9人と共に、地方自治法の一部改正法律案を代表発議した。尹議員らは改正案発議の趣旨について「大韓民国政府の樹立後、1949年に公布された地方自治法によって、ソウル特別自由市はソウル特別市に変わった。ソウル市が特別自由市と規定された事実は、現在のソウル特別市という名称の歴史的根拠となった」と紹介した。

 さらに「ソウルを中心に首都圏に人口と産業が集中し、不動産価格の高騰などの問題が発生した。首都圏の人口はすでに非首都圏の人口を上回っており、かなりの地方(自治体)が消滅の懸念を抱えている」として「首都圏一極主義を克服し、国をバランスよく発展させるためには、ソウル特別市などから『特別』という言葉を削除する必要がある」と主張した。

 尹議員らは「ソウルに住めば特別市民で、ソウル以外の地域に住めば一般市民になるという旧時代的な差別と分離政策を廃止すべきだ」「意識と表現を変える努力をすることで、首都圏と非首都圏が従属的・垂直的な関係ではなく、水平的な関係に変わっていくことが可能だ」と説明した。

 ソウル歴史編纂(へんさん)院によると、ソウル特別市という名称は1949年11月、地方自治法が公布された際に定められた。ソウルは解放直後、ソウル、京城、漢城など複数の名称を使用していた。しかし、米軍政期の1946年9月、ソウル特別自由市へと名称が変わり、京畿道の管轄から独立した。大韓民国政府樹立(1948年)の翌年に現在の名称に改称された。

 ソウル特別市の名称から「特別」を削除するという提案が出たのは今回が初めてではない。2005年6月、ハンナラ党(「国民の力」の前身)のユ・ジョンボク議員が国会の政治分野の対政府質問で「特別市という名称は特権文化の象徴であり、権威主義的な残滓(ざんし)」だとして「ソウル特別市という名称をソウル広域市またはソウル大都市に変更すべき」と主張していた。

キム・ミョンジン記者

チョソン・ドットコム/朝鮮日報日本語版 記事入力 : 2021/11/01 22:09
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