2022/1/3 18:11
https://www.sankei.com/article/20220103-FCILGW4SBBPNPAWE66XFRFAGCA/

中国軍機の西太平洋への進出が活発化していた2019年2月、台湾当局が中国軍機の飛行情報を即時に交換する体制の構築を日本政府に要請し、日本側が事実上、拒否していたことが3日、分かった。

台湾当局が日本に公式の防衛協力を要請していたことが明らかになるのは初めて。日本はその後、独自の態勢整備を進めているが、「台湾有事」の可能性が指摘される中、台湾との協力の選択肢を排除することで、日本の安全確保に影響を及ぼす恐れが指摘されている。

日台の防衛関係者によると、台湾の軍最上層部が同年2月下旬、日本の対台湾窓口機関、日本台湾交流協会台北事務所を通じ、日本政府に要請を出した。

中国軍は16〜18年、轟(H)6爆撃機などがバシー海峡(台湾−フィリピン間)と宮古海峡(沖縄本島−宮古島間)の片方を抜けて西太平洋に出た後、もう一方の海峡を経て中国大陸に戻る「台湾周回」を「常態化」(中国国防省)させていた。だが、台湾側には宮古海峡、日本側にはバシー海峡の監視能力がなく、それぞれの監視領域に入るまで把握できない。このため、台湾側は中国軍機の位置、高度、速度などのレーダー情報を交換する常設の体制構築を求めた。

《イカ有料》