李在明氏と民主党は今後どうなる

弾劾で政権を握り5年で政権を奪われる…李在明氏と党の双方に責任を問う声も

選挙対策委員会の一部からは「ワンチームを叫んだが支援はなかった」との不満

李在明氏は大庄洞や妻を巡る捜査、訴訟に巻き込まれる可能性も

 9日に投開票が行われた第20代韓国大統領選挙で与党・共に民主党の李在明(イ・ジェミョン)候補の敗色が濃くなったことで、同党は選挙後の党内情勢について頭を痛め始めた。敗北の責任論とその後の対応を巡って党内では内紛が起こる可能性が高い。「辺境のアウトサイダー」から政権与党の大統領候補にまで上り詰めた李在明候補も今後の政治活動を決めるまで多少時間がかかりそうだ。

 共に民主党が今回の大統領選挙で敗北した場合、1987年に大統領直接選挙制度が導入されて以来続いた「10年周期政権交代論」もストップする。弾劾により政権を握った政党が5年で政権を奪われることで、李候補と共に民主党双方の責任論が間違いなく浮上する。とりわけ李候補は党内の基盤が弱いアウトサイダー出身で、集中的に責任が追及される可能性も考えられる。共に民主党のある関係者は「第18代大統領選挙でも文在寅(ムン・ジェイン)候補は敗れたが、親盧勢力の後押しを受けた事実上の党の大株主だった。そのため選挙に敗れても大きな後遺症はなく自らの立場を維持し『次期』を狙うことができた」と述べた。

 これに対して李候補に近い議員グループは今回の予備選挙のときに組織されたため、その結束力はさほど強いわけではない。予備選挙で陣営に参加した議員の数を見ると李候補は2−3位だった。李候補陣営の関係者は「古くから続く関係だとか、イデオロギーなどで結集したグループではなく、大統領選挙に勝つため組織された任意のグループだ。そのため大統領選挙後も『親李在明』の役割を果たすかは未知数だ」と語った。李候補本人も「議員たちとのスキンシップが弱い」と評価されてきた。共に民主党の関係者は「李候補が後遺症を乗り越え政治的な影響力を回復するには、まずは党内での自らの立場を改めて固めるしかないだろう」と予想した。

 しかも大統領選挙の過程で火が付いた大庄洞開発特恵疑惑や妻・金恵景(キム・ヘギョン)氏の不当な礼遇疑惑などを巡る捜査や訴訟に巻き込まれる可能性もある。李候補は選挙運動の過程で「大統領選挙で敗れた場合、ない罪まででっち上げられて刑務所に行くだろう」と語っている。政治報復に言及することで与党支持者らの結束を訴えるための発言だったが、野党からは「大庄洞の本丸であり、刑務所に行くしかない自らの運命について本心を語ったもの」と指摘されている。保守系野党・国民の力の関係者は「大庄洞事件はすでに明らかになった点があまりにも多いため、『政治報復』などと言える状況ではないだろう」と語る。すでに与野党は「大庄洞特別検事」の設置を公の席で主張してきた。

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