2022.06.08

女性は暴力の前に無力ではない
著者
安宿 緑
編集者、日韓翻訳者、ライター

芸能・映画界において権力を利用した性暴力被害が明るみになっているが、痴漢や人混みで女性を狙う「ぶつかり男」、そして近年増えているといわれる女性に対する男性による憎悪犯罪など、安全だといわれる日本でも、女性は日常の中で男性からの「暴力」のリスクに晒されている。

女性への憎悪犯罪が日本に先んじて社会問題化しているのが、韓国だ。2012年に水原バラバラ殺人事件、2016年に江南駅殺人事件と代表的なフェミサイドが起きており、性暴力被害件数も上昇の一途を辿っている。そんな韓国でいま、「女性護身術(Feminist Self Defense、あるいはWomen’s Self Defense)」への関心が高まっているという。

最初の女性護身術は1960年代後半、ボストンで発祥し、1970年代のフェミニズム運動の高まりとともに、さまざまな形で欧米に広まった。その後日本でも、2007年に国内初の女性護身術として「パラベラム」が開発され、続いて韓国でも「ASAP女性護身術」が登場。
ASAPとは「Anti Sexual Assault Program(性暴力抵抗プログラム)」の略称で、武術家で大東流合気柔術師範のキム・ギテさんが、欧米で発祥した従来の女性護身術の対性暴力に関する部分をベースに開発したものだ。

今回、ギテさんとASAP女性護身術の師範の方々に、すぐに実践できる身の守り方、そして女性が身を守る上で大切な心構えについて聞いた。




何らかの抵抗をした女性は被害率が下がる
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/96008?page=1&imp=0