【ソウル聯合ニュース】韓国と米国の両軍は22日、今年下半期の合同軍事演習「乙支フリーダムシールド(UFS)」を開始した。来月1日まで実施する。韓国政府と軍は同演習を通じて危機管理と合同作戦支援の手順の熟達と、北朝鮮の局地的挑発と全面戦に備えた国家総力戦の遂行能力の向上を図る。演習に反発する北朝鮮がミサイル発射などで挑発する可能性に備え、監視体制も強化しているもようだ。

 UFSの第1部では、戦時体制への転換と北朝鮮の攻撃撃退、首都圏防衛を演習する。第2部では首都圏の安全確保のための反撃作戦の熟達を図る。

 韓国政府が災害などの有事対応訓練として実施してきた「乙支演習」もUFSの第1部の軍事演習と統合して22日から4日間実施する。乙支演習は19年以降、韓米合同軍事演習とは別に行ってきた。

 近ごろの国際紛争を踏まえ、戦時に発生し得る状況に対処する実戦的なシナリオを用いる。重要インフラへの攻撃を想定し、官民、軍、警察が参加する防護訓練と被害復旧訓練を並行する。

 韓国国防部によると、UFSではコンピューターシミュレーション方式の指揮所訓練のほか、実戦的な野外機動訓練が行われる。旅団級の戦闘訓練、大隊級の大量破壊兵器除去訓練など計13の野外機動訓練を実施する。18年以降、行われていなかった連隊級以上の合同機動訓練の一部が復活することになる。

 また、米軍主導の韓米連合軍が持つ有事作戦統制権の韓国軍への移管に向け、韓国軍主導の未来連合軍司令部の完全運用能力(FOC)検証も行う。未来連合軍司令部の連合任務の必須課題リスト73項目のうち49項目を対象に、韓米合同の専門チームが評価する。

 韓米は2008年から毎年、大規模合同指揮所演習「乙支フリーダムガーディアン(UFG)」を実施していたが、韓国前政権下の2017年を最後に廃止された。今回は名称を変更して約5年ぶりに復活する。前政権で縮小されてきた合同演習を正常化して韓米同盟の強固さを確認し、連合防衛体制を強化する方針だ。

 UFSの本演習を前に韓米は16日から4日間、事前演習の危機管理演習を実施した。

 一方、北朝鮮は宣伝メディアを通じUFSを激しく非難している。17日には巡航ミサイルを発射した。

聯合ニュース 2022.08.22 08:41
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