韓国初のコロナワクチン、SKバイオが量産開始

【ソウル=細川幸太郎】韓国バイオ医薬品のSKバイオサイエンスは、新型コロナウイルスのワクチン量産を始めた。初の国産ワクチンとして韓国防疫当局と供給契約を結び、8月末に出荷する。

同社は欧州当局にも承認を申請している。ワクチンを公平に分配する国際的な枠組み「COVAX(コバックス)」を通じ、世界各地への供給を目指す。

SKバイオのコロナワクチン「スカイコビワン」(SKYCovione)は、6月末に韓国当局の承認を受けた。東部の安東市で生産し、今後2年間で1000万回分を供給する契約を結んだ。

韓国当局の担当者は「コロナ感染症の治療薬とワクチンの双方を国内で確保し、未来の感染症にも対応できる体制を構築した」と述べた。

同ワクチンはセ氏2~8度の冷蔵保管が可能だ。超低温の流通設備が不要なため、発展途上国にも供給しやすい特長がある。米マイクロソフト共同創業者のビル・ゲイツ氏の財団などから開発資金を得ており、当初から広く途上国への供給を想定して開発されていた。

SKバイオの2021年売上高は前の期比4倍の9290億ウォン(約950億円)、営業利益は同13倍の4742億ウォンと急成長する。売上高営業利益率は51%に達し、23日の終値ベースの時価総額は8600億円規模に膨らんでいる。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM237FJ0T20C22A8000000/