156人が死亡した韓国ソウルの繁華街イテウォン(梨泰院)で起きた事故で、韓国警察庁のトップは、事故発生の前から危険性を訴える通報が多数あったと明らかにしたうえで、対応が不十分だったという認識を示しました。

ソウルの繁華街イテウォンでは、10月29日の夜、ハロウィーンを前に集まった大勢の若者らが折り重なるようにして倒れ、これまでに日本人2人を含む156人が死亡しました。

警察などによる事前の安全対策が不十分だったとの指摘が相次ぐ中、韓国警察庁のトップ、ユン・ヒグン(尹熙根)長官は11月1日、記者会見を開き「事故発生の前から危険性を訴える通報が多数あったことを確認した。ただ、それに対する現場の対応は不十分だった」と述べました。

そのうえで、警察の対応なども含めた事故についての事実関係を調べるための組織を警察庁の中に設置し、責任の所在を明確にすると明らかにしました。

さらに、ユン長官は、韓国の国会で開かれた委員会に出席し、事故の4時間ほど前から、現場の危険な状況を知らせる通報が11件あったと報告しました。

一方、委員会には、事故の翌日に「警察と消防を前もって配置して解決する問題ではなかった」などと釈明して批判が強まっていたイ・サンミン(李祥敏)行政安全相も出席し、今回の事故について「国家は国民の安全に無限の責任がある。事故が発生したことを国民に謝罪する」と述べました。
警察 通報の詳細な内容を公開
韓国警察庁のトップが1日、事故の4時間ほど前から、現場の危険な状況を知らせる通報が11件あったと明らかにしたことに関連して、警察は通報の詳細な内容の記録を公開しました。

このうち、▽事故の4時間ほど前の当日午後6時半すぎには、通報した人が「人が押し寄せてきて圧死しそうだ。鳥肌が立つ。人出が多すぎるので、制御してほしい」などと要請し警察官が「出動して確認する」と応じています。

さらに、
▽午後8時半すぎの通報では、「人が道ばたで倒れている。大変なことになりそうだ」、
▽午後9時前の通報では「修羅場だ。尋常ではない」、
▽午後9時すぎには「一方通行にするように規制してほしい」などと通報を受けています。

そして、▽事故が起きたとされる数分前の午後10時11分には「圧死しそうだ。大騒ぎになっている」という声とともに、「あー、あー」などという悲鳴のような声も記録されています。

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NHK NEWS WEB 2022年11月1日 19時24分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20221101/k10013877501000.html