韓日米の首脳が北朝鮮のミサイル情報をリアルタイムで共有することに合意し、3カ国の安保協力強化に弾みがついている。文在寅(ムン・ジェイン)政権当時は軍事情報包括保護協定(GSOMIA)破棄宣言が出るほど激しく対立した日韓が、北朝鮮の核・ミサイル脅威のため強く団結する姿だ。政府内外では「過去5年間に揺らいだ韓日米安全保障協力が正常軌道に戻った」という評価が出ている。

尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領とバイデン米大統領、岸田文雄首相は第17回東アジア首脳会議(EAS)出席をきっかけに13日(現地時間)、カンボジア・プノンペンで3カ国首脳会議を開いた。3カ国首脳は今回の会議の結果を反映した共同声明で、「3カ国首脳は抑止、平和および安定のための主要な進展として、飛んでくるミサイルによる脅威に対する各国の探知・評価能力を向上させるため、北朝鮮のミサイル警報情報をリアルタイムで共有する」などと具体的な協力案まで提示した。

その間、3カ国がミサイル防衛訓練でイージス駆逐艦体系を通じて北朝鮮の弾道ミサイル探知・追跡情報をリアルタイムで共有したことはあったが、訓練状況でなく平時にリアルタイムでこうした情報を共有したことはない。

今回の合意は紆余曲折の末に2016年に締結した韓日GSOMIAの現実を上回る破格的な内容でもある。現在、韓日軍当局はGSOMIAに基づき互いに要請する情報を共有するレベルだ。

すなわち、リアルタイムでなく事後共有概念だ。国防部の関係者は「GSOMIAは文書上の協定であり、リアルタイム情報共有体系ではない」と明らかにした。

軍消息筋は「これさえも2019年8月当時に文政権がGSOMIA終了を日本側に通知し、その後、米国の圧力で効力を猶予したが、信頼関係が崩れた側面がある」とし「当時、軍内では対北情報力の強化を理由に『GSOMIA破棄だけはいけない』という雰囲気が強かった」と話した。続いて「GSOMIAの火種は生かしたが、その後も両国政府間の葛藤が深まり、実務段階で協力を円滑に進めにくい部分があった」と付け加えた。

◆北の異例の挑発が導火線に

過去には見られなかった北朝鮮の武力示威様相がこうした合意を呼んだという見方も出ている。北朝鮮は米国の戦略資産の原子力空母(「ロナルド・レーガン」)と原子力潜水艦(「アナポリス」)、戦略爆撃機(B-1B)、ステルス戦闘機(F-35B)などが相次いで朝鮮半島に展開されると、連合訓練の進行中にもかかわらずミサイル発射と砲射撃、軍用機を多数動員した空対地打撃訓練を続けた。

「北の核武力がすでに実戦配備段階に入ったことを表す兆候」というのが専門家らの分析だ。韓日米の安保協力が急がれる理由だ。このために防御力量の強化を最優先に考慮し、今回の合意を引き出したという分析が出ている。

政府筋は「文政権当時にあった海上自衛隊哨戒機レーダー照準事件など韓日間に難しいイシューが残っているが、今月初めに日本が主催した国際観艦式に海軍艦艇が参加して協力の土台が用意された」とし「日本政府の立場では、北のミサイルの脅威が強まり、日本国内の世論が足かせとなる状況も避けた」と話した。

韓国はイージス駆逐艦と空中早期警戒管制機(E-737)、地上の弾道ミサイル監視レーダー(グリーンパインレーダー)などで北朝鮮のミサイル発射を捕捉する能力が優れている。一方、日本は8基の偵察衛星とイージス駆逐艦などでミサイルの落下を詳細に眺めている。

峨山政策研究院のヤン・ウク副研究委員は「情報は重複的に見るほど細かな検証が可能」とし「北のミサイル探知・追跡体系に日本の偵察衛星とイージス艦偵察・監視能力などが含まれれば情報力量はさらに拡張される」と説明した。

(以下はソースにて)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
2022.11.14 14:38
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