世界で新型コロナをめぐる対応が進み、規制などが大幅に緩和される中、韓国も例外ではない。

 断続的に感染者数の通知などは行われているものの、現在では以前のように感染者数で大騒ぎになることもなくなり、コロナ禍前の生活に戻りつつあることを実感させられる。

 海外への渡航についても同様であり、待ちわびたとばかりに海外旅行やビジネスに向かう人も多く、特に日本路線は満席の状態が続いている。

 そうした中で、韓国の学生を日本への留学や就職に呼び込もうという動きも活発化している。

 先日、11月10日と11日の2日間にわたってソウルで「海外就職博覧会」が開催され、3年ぶりとなる入場、対面式での開催に多くの人が会場を訪れた。

 韓国政府も日本をはじめとした若者の海外就職を支援する背景には若年層の失業率の高さが挙げられているものの、この背景には単に「不景気」だけでは片付けられない現在の若者達の事情もあるようである。

◆「日本就職」に異変アリ…

 やはり、日本への留学や就職への関心や人気は相変わらず根強いという印象であるものの、就職に関して言えばある変化も見られるという。

 これまで韓国の学生の日本での就職を斡旋してきた斡旋業者の担当者は「旅行、サービス業への就職を志願する学生が減っている」と言う。

 日本のホテル業界は韓国の学生にも人気で、韓国人が就職する際にこだわる「名の知れた企業か」という点でも世界的に有名なホテルチェーンも斡旋先としてあり、これまでは多くの問い合わせや志願希望者がいたものの、ここ数年は激減状態だというのだ。

 学生側が旅行やサービス業への就職を敬遠するようになっている理由の一つに「初任給が韓国よりも低い」というのが挙げられているという。

 日本のホテル業界の給与について見ていると、大卒初任給で20万円前後、短大、専門学校卒初任給で17万円前後となっている。一方で、韓国のロッテホテルの場合は大卒初年度は3,800万ウォン(日本円で約393万円、JOB KOREA資料より)となっている。

 実際、OECDのデータによれば実質の平均年間賃金で日本はすでに韓国より下回っており、日韓「給料格差」が意外な“日本離れ”の原因になっていることがわかるのだ。

12/2(金) 7:32配信
現代ビジネス
https://news.yahoo.co.jp/articles/603f1496fec90222606829e6aaacb0671282a60c