中高一貫のインターナショナルスクール「コリア国際学園中等部・高等部」（大阪府茨木市）に侵入して火を付けたとして、建造物侵入や建造物損壊などの罪に問われた元アルバイト、太刀川（たちかわ）誠被告（30）＝大阪府箕面市＝について、大阪地裁は8日、懲役3年、執行猶予5年（求刑・懲役3年）の判決を言い渡した。梶川匡志裁判官は「ゆがんだ正義感に基づく犯行で看過しがたい」と述べた。

　判決などによると、太刀川被告は4月5日午前2時ごろ、学園の敷地に侵入。校舎1階のエントランススペースにあった段ボールに火を付け、床を焼損させた。けが人はいなかった。学園には、在日コリアンや日本人の生徒が通っている。

　太刀川被告は公判で「在日韓国・朝鮮人を野放しにすると日本人が危険にさらされると思っていた」と証言。外国人を批判するSNS（ネット交流サービス）の書き込みや動画投稿サイト「ユーチューブ」を閲覧する中で在日コリアンへの嫌悪感を募らせ、教職員らへの嫌がらせを計画していたことも明らかにした。

　判決は「異なる属性を持つ人が異なる考えを持つことは民主主義社会では当然で、暴力は許されない」と非難したが、人種や民族など特定の属性を持つ人々への差別的な動機に基づくヘイトクライム（憎悪犯罪）とは認定しなかった。また、被告は起訴内容を認め、反省の態度も示しているとして刑の執行を猶予する判断を示した。

　検察側は「特定の国籍を持つ者へのゆがんだ憎悪心から犯行に及んだ。不合理な差別は許されない」と指摘していたため、判決がヘイトクライムと認めるかどうかが焦点になっていた。

　コリア国際学園の金淳次理事長は「判決はヘイトクライムであることを看過しており、大変遺憾だ」とのコメントを出した。

　太刀川被告は3月に立憲民主党の辻元清美参院議員の事務所（大阪府高槻市）、5月には創価学会淀川文化会館（大阪市淀川区）にそれぞれ侵入した建造物侵入罪などにも問われており、公判では合わせて審理された。【山本康介、安元久美子】

12/8(木) 11:47　毎日新聞
https://news.yahoo.co.jp/articles/1038565ce67b5366c8fd3bdd1fe209766196cedf

※関連ソース
【速報】辻元清美氏事務所・創価学会施設・コリア国際学園に侵入や損壊　男に判決『懲役3年執行猶予5年』　ネット情報から歪んだ憎悪心「ほぼTwitterです」
https://news.yahoo.co.jp/articles/bd678aaf0e00543ffcf8b5ed80bfb7bb1ceb1598
https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/t/amd-img/20221208-00010001-mbsnews-000-6-view.jpg?pri=l&w=640&h=360&exp=10800

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