12月5日、韓国で現代自動車(ヒョンデ)の最新電気自動車「アイオニック5」が事故を起こし、運転手の男性が亡くなった。建物の外壁に衝突した直後に車両が燃え上がり、火は2時間も消えなかったという。これはリチウムイオンバッテリーの熱暴走という、電気自動車に特有の事故だ。ガソリン車であれば、助かる命だったのではないだろうか。(ビジネスライター 羽田真代)

● 現代自動車の最新電気自動車 「アイオニック5」

 佐賀県小城市と日産自動車は、11月25日に電気自動車(EV)を活用した「脱炭素化及び強靱化に関する連携協定」を締結した。これは「走る蓄電池」となるEVを市民に積極的にアピールし、小城市としては「ゼロカーボンシティ」(脱炭素化)やSDGs推進(持続可能で強靱なまちづくり)を目指すというもの。日産自動車は同様の協定を、岐阜県大垣市や山形県南陽市など複数の自治体と結んでいる。

 電気自動車を推進するのは日産自動車だけではない。むしろ海外が先行して、日本の自動車メーカーは追随している印象だが、電気自動車にはガソリン車にはない特徴があるはずだ。そこを考えずに拡販することに問題はないのだろうか。……そんなことを考えていた折、電気自動車「アイオニック5」が事故を起こした。アイオニック5を販売しているのはソウルに本社を置く自動車メーカー・現代自動車である。現代自動車は2022年2月に日本に再進出、以前はヒュンダイの名で知られたが、今はヒョンデと呼ばれている。

● 栄州市で起きた、 アイオニック5の火災事故

 12月5日の午後9時30分頃、韓国の慶尚北道・栄州市(ギョンサンプクド・ヨンジュシ)で、ヒョンデの最新電気自動車・アイオニック5が事故を起こした。事故を起こした車両はタクシーとして利用されていたもので、運転手は71歳の男性であった。

 事故を捉えた防犯カメラの映像を見ると、この自動車は坂道を暴走、商業施設前を歩いていた学生を間一髪のところで避けて建物の外壁に衝突した。衝突後、自動車は熱暴走(※後述)によって瞬く間に火の手が上がり、近くにいた住人10人ほどが消火器を使用して消火活動に当たった。だが、火は消えるどころか大きくなるばかりだったそうだ。その後、現場に駆け付けた消防隊員によって消火作業がされるも、白い煙が上がるだけで全く収まらず、結局、鎮火には約2時間もかかった。

 アイオニック5はデザイン性を重視し、ドアノブがドアと一体化している。そのため事故当時、近くにいた人たちが中に取り残された運転手を救助しようと試みたがドアを開けることができず、運転手の命を救うことはかなわなかったそうだ。

 消防当局は車両13台、消防士41人、警察車両7台を投入して火災を鎮火させた。鎮火した後の自動車の写真を見たが、外壁にぶつかったせいでボンネットは大破、火災によってドアは全て落ちており、白い塗装だったはずの自動車は黒く焦げていた。消防署の推算によると、今回の事故で4900万ウォン(約524万円)の財産被害を出したという。

以下ソースから

12/21(水) 6:02配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/ba77bae2b9dedfcce2a71620a8e3ad0f5e78ecf0?page=2