防衛省は23日、中国海軍の空母「遼寧」が21~22日に沖縄東方の太平洋上で艦載戦闘機やヘリコプターの発着艦を繰り返したと発表した。2日間で戦闘機は約40回、ヘリは約20回発着監し、17~22日の合計は計約180回となった。

海上自衛隊の護衛艦「きりさめ」と「いずも」が監視し、戦闘機は航空自衛隊戦闘機が緊急発進(スクランブル)して対応した。

防衛省によると、遼寧は16日に沖縄本島と宮古島の間を抜けて太平洋に入り、17日から20日にかけて北大東島の東方数百キロ以上の沖合を北上した後、再び南下。22日午後8時には沖ノ鳥島の東約120キロの海域を、中国海軍のミサイル駆逐艦、フリゲート艦と計3隻で航行しているのが確認された。

遼寧は今年5月にも、沖縄本島南方の海域を通過したことが確認されている。今回は、政府が今月16日に防衛力の抜本的強化などを掲げた国家安全保障戦略など「安保3文書」を決定したことへの反発の意図を示す可能性もある。

浜田靖一防衛相は23日の記者会見で、遼寧について「(部隊との)空母との運用能力や遠方の海空域における作戦遂行能力の向上を企図している」との見方を示した。

2022/12/23 21:10
https://www.sankei.com/article/20221223-I2ICO2LWVBOSZMLIH2KHK7STCA/