尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の「独自の核保有可能」発言をめぐって、韓国が核開発に乗り出した場合の技術的な過程や所要期間などに関心が集まっている。ソウル大原子核工学科の徐鈞烈(ソ・ギュンリョル)名誉教授は、「韓国はすでに核保有国水準の再処理、濃縮技術を持っている」とし、「決断さえすれば、6ヵ月以内に20キロトン(1キロトンはTNT火薬で1000トンの爆発力)級の試作品を製造できる」と述べた。

2019年に稼働が停止した月城(ウォルソン)原発1号機と現在稼働中の約20機の原発に保管された使用済み核燃料を再処理するとプルトニウムが生産できる。徐氏は、「高レベルの技術者500人を1日3交代で投入すれば、6ヵ月以内に6キロのプルトニウムを得ることができる」と述べた。レーザー濃縮技術でウランまで生産すれば、6ヵ月で核兵器3発分の核物質を確保できるということだ。

韓国原子力研究院は2000年、研究の次元でレーザー濃縮方式で兵器級ウランの生産実験に成功したが、国際原子力機関(IAEA)の査察を受けた。軍消息筋は、「起爆装置も1年以内に製造が可能だろう」と話した。試作品はスーパーコンピュータを利用したシミュレーションで核実験なく性能検証が可能だと、専門家らは主張する。徐氏は、「試作品完成後2~3年で50~60キロまで小型化した戦術核を量産し、戦闘機や玄武(ヒョンム)ミサイルなどに装着できるだろう」と見通した。

しかし、独自の核武装カードは現実性が低いというのが大方の意見だ。韓国が核不拡散条約(NPT)を破棄して核開発に乗り出す場合、経済・外交的損失や韓米関係の破綻に堪えられないということだ。梨花(イファ)女子大学北朝鮮学科の朴元坤(パク・ウォンゴン)教授は、「韓国がNPT体制で核武装を図れば、経済制裁で経済が崩壊するだろう」と指摘した。

大統領室関係者は12日、「政府がNPT体制を順守するという大原則に変わりはない」とし、「北朝鮮の核脅威が高度化する状況で、大統領の断固たる意志を明らかにしたもの」と話した。

尹相虎 ysh1005@donga.com ・ 申?? journari@donga.com
Posted January. 13, 2023 08:31, Updated January. 13, 2023 08:31
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