【ロンドン=板東和正】世界保健機関(WHO・本部ジュネーブ)は28日までに、新型コロナウイルスの世界の累計感染者数と累計死者数を更新した。更新された速報値では27日時点での感染者は7億5251万人超、死者は680万人超となった。
 「ゼロコロナ」政策を昨年末に撤回し、感染が急拡大した中国から新たに報告された分を加えた。

更新前の25日時点の集計では、新型コロナの累計感染者数は世界で約6億6487万人、累計死者数は約672万人だった。

 更新された速報値によると、昨年12月19日からの1週間あたりの世界の感染者数は約4494万人(うち中国が約4115万人)で過去最多を記録。これまで最多だった同年1月17日からの1週間の約2300万人の2倍近くとなった。

 国別の累計感染者数では、変異株「オミクロン株」から新たに派生した変異株による感染が拡大している米国が約1億人で世界最多。中国が約9832万人と2位となった。

 WHOのテドロス事務局長は今月27日、「過去数週間に中国から報告された感染者数と死者数」を速報値に反映させると述べていた。ただ、WHOはこれまで、中国から死者数の過少報告がなされているとの見方を示してきた。テドロス氏は同日、「(世界で)過去8週間で計17万人以上の死者が報告されているが、実際はもっと多い」と強調した。

 WHOは27日、専門家らによる緊急委員会を開き、2020年1月に新型コロナに関して宣言した「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」の是非や条件を巡り協議した。中国などでの感染拡大による影響も見通せず、難しい判断を迫られている。

産経ニュース2023/1/29 06:39
https://www.sankei.com/article/20230129-ASYYMOIWAFP3PEL3WRKGZ5Z7FY/