【ワシントン=田島大志】米中央情報局(CIA)のウィリアム・バーンズ長官は2日の講演で、中国の習近平(シージンピン)国家主席が「2027年までに台湾侵攻の準備を整えるよう軍に命じたことを指すインテリジェンス(情報)を把握している」と明らかにした。高度な情報を扱うCIAのトップが、具体的な情報に基づき台湾有事の可能性に触れるのは異例で、抑止力や対処力の強化を促す狙いとみられる。

 ジョージタウン大主催の行事に参加したバーンズ氏が学生の台湾問題に関する質問に答えたもので、「台湾に対する習氏の野心を過小評価しないことだ。これは何年にもわたり、かなり明確だ」と強調した。一方で「(習氏が)27年や他の年に侵略すると決めたわけではない」とも指摘し、抑止に向け、台湾への軍事支援強化の重要性を訴えた。

 米国では、インド太平洋軍のフィリップ・デービッドソン前司令官が21年に米議会で、台湾有事は27年までにあり得るとの見解を示していた。最近では、米空軍大将が、25年に起きる可能性を示すメモを作成したことが明らかになった。

 27年は中国共産党の第21回大会が開かれる年で、軍創設100年の節目にあたる。昨年の党大会で異例の3期目政権を発足させた習氏は、政権のさらなる長期化を視野に入れているとされ、自らのレガシー(政治的遺産)とするため、中台統一の実現に強い意向を抱いているとみられている。

2/4(土) 6:42配信
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