和歌山県白浜町のテーマパーク「アドベンチャーワールド」で飼育されているジャイアントパンダの雄「 永明エイメイ 」(30歳)が22日に中国へ帰る。来日後、28年間で16頭の子をもうけ、「グレートファーザー」として親しまれてきた。別れを惜しむファンが連日、詰めかけている。
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 9日午前10時、同園が開門すると、永明のいる屋内運動場の前には人だかりができた。人間で言えば90歳くらいだが食欲旺盛で、東京から訪れた女性(48)は、竹をほおばる姿を見て「ずっと見守ってきたので寂しいが、中国に帰っても、もっと長生きしてほしい」と話した。

 帰国が発表された昨年末以降、「雌に優しいジェントルマン」などと愛されてきた永明を一目見ようと大勢のファンが来園している。

 永明は1992年9月に中国・北京動物園で生まれ、94年9月に白浜へ。2001年12月以降、2頭の雌との間に雄7頭、雌9頭をもうけた。28歳だった20年11月には、最後の子となった「 楓浜フウヒン 」(雌)が生まれ、飼育されるパンダのうち、自然交配で子をもうけた世界最高齢の自己記録を更新した。
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 中国側の意向もあり、双子の「 桜浜オウヒン 」「 桃浜トウヒン 」(雌、8歳)と共に故郷へ帰り、四川省にあるパンダの研究施設で暮らすことになった。

 アドベンチャーワールドには永明の子ら雌4頭が残り、地元の観光関係者からは「また雄に来てもらい、たくさんの子どもが生まれてほしい」との声が上がる。

 同園では21日、3頭の見納めとなる「歓送会」が開催され、22日に関西空港から空路で中国へ向かう。

2023/02/10 12:42
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