野球の国・地域別対抗戦「ワールド・ベースボール・クラシック」(WBC)が3月に行われる。過去4大会は、テレビを通じ、日本代表「侍ジャパン」が日本国中を熱狂の渦に巻き込んできた。数々の名場面が思い起こされるが、最も多くの国民が観戦した歴代最高視聴率はどの試合か。調べてみた。(デジタル編集部)

 ビデオリサーチ(関東地区)の番組平均視聴率で比較した。トップは2006年第1回大会の決勝、キューバ戦で43・4%。日本時間午前の試合開始だったが、春分の日と重なり、驚くべき高い視聴率を稼ぎだした。瞬間最高視聴率はゲームセットの瞬間で56・0%。番組視聴占拠率は72・7%と、テレビをつけていた家庭の4分の3近くがWBCを見ていたことになる。先発の松坂大輔(西武)が4回1失点と好投。打線も爆発し10-6と大勝し、王貞治監督が宙を舞った。

 2~5位はいずれも韓国戦だった。7位を含め上位10試合のうち5試合を韓国戦が占めた。アジアのライバルとの一戦に対する関心の高さは際立っている。

 このうち侍ジャパンが連覇を達成した第2回の2009年大会は、現在と大会方式が異なり、韓国と5度も対戦した。最も高い視聴率を記録したのは、4度目の対戦となった2次ラウンドの1位決定戦で、40・1%だった。日本は1次ラウンドの2戦目、2次ラウンドの初戦と韓国に2連敗。韓国はマウンドに国旗を立て、喜びを表現するなど日本は屈辱を味わっていた。そんな流れもあり、国民は高い関心を示した。同点の八回に青木(ヤクルト)のバントヒットを足掛かりに小笠原(巨人)が勝ち越し打。その後も打線がつながり6-2で勝った試合で、やはり祝日で高視聴率となった。

 さらに決勝は5度目の日韓対決に。イチローが決勝打を放ち、ダルビッシュが胴上げ投手となった伝説の一戦は、平日の昼間にもかかわらず、36・4%をたたき出した。

 2017年の前回大会は1試合もベスト10入りしなかった。韓国と日本が、1次ラウンドが別グループだったうえ、韓国が2次ラウンドに進めなかったことも影響したとみられる。

 さらに、日本時間の昼に行われるため祝日に当たると視聴率が上がる準決勝以降で見ると、前回は準決勝、決勝の3試合いずれも平日。前々回2013年は決勝が春分の日だったが、日本は進出できなかった。

 今大会は、日本時間で3月20日と春分の日の3月21日に準決勝がある。日本が4強入りすれば、日本戦は春分の日に行われることが決まっている。

読売新聞 2023/02/11 06:00
https://www.yomiuri.co.jp/sports/wbc/20230210-OYT1T50073/